2014年12月25日木曜日

「明治天皇という人」を読む。

終業式である。我がクラスの大清掃は、いつもながら皆が自分にできることはないか、考えながら、仕事が進む。大いに良い。それだけで十分。大した説教など必要なし。ということで通知表を渡して解散した。

ところで、最近、松本健一著「明治天皇という人」(新潮文庫/本年9月1日発行)を読んでいる。ちょうど3分の1程度読み終えたところだ。松本健一氏は、この本で、人としての明治天皇像を描こうとしている。かの「畏るべき昭和天皇」や「評伝 佐久間象山」の著者で、極めて緻密に現象学的に書かれている。

明治天皇の肉声はなかなか伝わってこない。明治という近代天皇制が確立していく時代の中で、たしかに残りづらかったであろうと推測できる。それを丹念に拾っていく、という感じの本だ。

明治天皇の実家である中山家に仕えていた田中河内介は幼少時の明治天皇に大きな影響を与えた人物だ。彼は、「天皇の世紀」にもあるように、寺田屋事件の後、薩摩に惨殺される。その薩摩の西郷、大久保が、本人も含め関わりのある人物を送り、天皇に大きな影響を与えていく。歴史の皮肉ではあるが、これもまた実相である。備忘録的に記しておきたい事項は山ほどあるが、追ってエントリーしていきたい。

「人は人によって作られていく。」…様々な出会いが人を作る。教育に携わる者として、改めて感じるものがあった次第。

2 件のコメント:

  1. 松本健一氏は、先月亡くなりましたね。

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  2. 石川さん、コメントありがとうございます。日本は貴重な作家を失いました。

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