http://middleeast.asahi.com/ column/2011033100001.html |
マリのケイタ大統領は「リビア南部の問題を解決しないかぎり地域の平和はない。」と指摘すれば、チャドのデビ大統領は「危機解決はアフリカの手中にはなく、(カダフィ政権崩壊を助けた)西側、とりわけNATOに(責任が)ある。」と語ったという。国連の報告書では、チャド、中央アフリカ、ソマリア、さらに中東のシリアやパレスチナのガザへの武器流入を指摘している。
中央アフリカのキリスト教徒とイスラム教徒の対立も、マリのイスラム武装勢力遊牧民と仏軍の争いも、ナイジェリアのボコハラムも、リビアの武器の拡散の結果であるらしい。各武装勢力はアルカイダ系の組織などを通じて入手しているようである。肝心のリビア自体、仏軍にマリから掃討されたイスラム過激派が潜伏中らしく、イスラム国も拠点作りを進めているようである。複数の民兵同士の戦闘が続き、予断をゆるさない状況が続いているわけだ。
…チャドの大統領が指摘してるように、カダフィ大佐の存在は、実はサブ=サハラ・アフリカでは英雄だった。安価な石油の供給や金銭的な支援を続けてきた故に人気が高かった。そのカダフィが殺され、内戦化し、武器がアフリカ各地に拡散しているわけで、つい愚痴りたくなるだろう。チャドはAUの主力部隊を構成している国のひとつだ。
…この状況を打開する道は、かなり難しい。イスラム復古主義の問題も大きいし、なによりも持続可能な開発によって貧困の打開が必要である。コトバで表すのは容易いが、長い長い困難な道のりだ。世界がこの問題に対して、常に意識しておく必要があると私は思うのだ。
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