2014年12月19日金曜日

キューバとアメリカの国交の話

http://www.huffingtonpost.jp/autoblogjapan/1959_b_4510994.html
突然のニュースだった。キューバとアメリカが国交を正常化に動くという。様々な報道を読んでみると、レイムダック状態のオバマ大統領の最後の実績作りとも見えるし、キューバから見れば、経済の建て直しの絶好のチャンスと見えるし、長期的に水面下で交渉が進み、しかもバチカンが関与していたらしい。なかなか興味深い。

議会の多数派である共和党や、フロリダに多いキューバからの反カストロ派の亡命者の反対も大きそうなので、もちろん一気に進むはずはないと思うが、長年対立していた両国が和解することに意義は大きい。

私はキューバに行ったことはないが、古いアメリカ車がいまだに修理されながら走っている反米国という、極めて珍しい国であることは有名だ。また旅行者は米ドルが使用されているというのも逆説的で面白い。

今日、来週行うアクティビティとして、ESDのクイズをつくっていた。HDI(人間開発指数)の数値を調べていると、キューバは開発途上国のカテゴリーながらHDI高位国に位置していることがわかった。ラテンアメリカでは、チリ、アルゼンチン、ウルグアイに続いて4位。メキシコより上である。おそらくは、社会主義体制の下、教育や医療制度が充実しているからだと思われる。1人あたりのGDPは、世銀統計で80位($5596)、はCIA統計では91位($5009)となっているからだ。メキシコよりかなり低い。

キューバの人々は、おおむね歓迎しているようだ。特に同じ反米国だったベネズエラからの石油供給が先細りしている中、投資が進み豊かな生活を享受できると思っているようだ。

しかし私は、この国交正常化は、キューバのグローバル化への扉を開くもので、決してメリットだけではない、デメリット(特に経済格差の拡大)も多いと思うのだ。特に教育や医療の恩恵が守られるかどうかは判らない。カストロの社会主義が絶対的善だとは思わない。だが、…。

両国の和解の意義は大きいが、果たしてどうなることか。私はキューバ側からもこの動きを見ていきたいと思う。

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