http://sworldnews.com/sapeurs-congo/ |
実に面白い内容だった。コンゴには、「サプール」と呼ばれるおしゃれで優雅な紳士がいる。普段は、電気工事士だったり、家具屋だったりする普通の男たちなのだが、土日になると、ブランドのスーツに身を固め、気取って街を歩くのだ。それを街の人々は誇りに思い、その姿に拍手する。映画館もない、ダートの道の街角で、アフリカらしいマルシェ(市場)で、彼らはエンターテーナーとして、様々なポーズを取り、見栄を切る。無茶苦茶面白い。しかも、その姿は、ほんと惚れ惚れするほど格好いいのである。三色以内にコーディネイトするのが、エレガントなのだという。
暗闇を照らす明かりのような存在、それが「サプール」なのだと彼らは言う。
この「サプール」、90年の歴史があるそうだ。コンゴも以前内戦に見舞われた。この時、「サプール」は存在の危機に立たされた。内戦の時も、服こそ己を主張する武器である、サプールは銃を持たないと、平和主義を貫いた男がいる。「サプール」は平和主義のシンボルである。自由を服で表現しているそうだ。単なるおしゃれではないのだ。
サプールになりたい、服を買いたいという一心で、喧嘩ばかりしていた青年が仕事を見つけ、サプールとしてデビューする話が後半のメインだった。師匠は、彼に様々な厳しい指導をしていく。美しい所作、人との距離は人を敬う姿勢。自分を信じ誇りを持つ。人としてどう生きるか。そして師匠は、デビューにあたって彼にイタリア製のスーツを贈る。それが国のためになると師匠は言い切る。サプールを通じて若者を育てていくのだ。、と。まさに、”おしゃれ”という次元を超えて、「サプール道」になっているのだ。
サプール、それは「上品な着こなしをする平和的人間」のブランス語の頭文字をとった名前だという。美意識を磨き、その服の品位にまけない自分をつくる、それが内戦を乗り越えた平和主義者の「道」だったのだ。
…私は、全くおしゃれに興味はない。だが、彼らの言う服の品位、美意識はよく理解できる。スーツで決めた男の美学。フランスの香りがするが、その本質は極めてアフリカ的な潜在力、在来知であると思う。すでに、京大で研究している人もいるのかな、と思ったりする。
http://www4.nhk.or.jp/ichiban/x/2014-12-04/21/19531/
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