「若き日本の肖像ー1900年欧州の旅ー」(寺島実郎著/新潮文庫)を読み終えてだいぶ経つ。文庫本は本年8月1日発行だが、単行本化されたのは2000年2月である。よって、寺島氏のコメントは若干古く感じてしまう。それをさしおいて、この本が素晴らしいのは、1900年のヨーロッパの様々な都市を定点に置いて、そこに学んだ、あるいは関わった日本人の面白い逸話が満載で、その国に関わる考察が俊逸だからだろう。読後感をゆっくり熟成させてからエントリーしたくなるほど、面白かったのだ。
第一章はパリ。登場する人物は、秋山真之に始まって、夏目漱石、西園寺公望など。そして、ピカソ。
第二章はロンドン。夏目漱石、川上音二郎、南方熊楠。そしてマルクスとケインズ。
第三章はウィーン。クーデンホーフ・光子。クーデンホーフ、ヒトラー、ワルトハイム。そしてフロイト。
第四章はローマ。ここには日本人は登場しない。バチカンとムッソリーニ。
第五章はマドリッド。ここにも日本人は登場しない。フランコの話が中心。
第六章はハーグ。秋山好古。ハーグの平和会議のことが綴られる。
第七章はサンクトペテルブルグ。明石元二郎、広瀬武夫。
第八章はベルリン。森鴎外。そしてビスマルク。
各章で考察されるヨーロッパ各国と日本の考察がまた面白い。少しずつエントリーしていこうかと思う。今日のところはアウトラインの紹介で終わりたい。
2014年8月18日月曜日
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