2012年3月28日水曜日

世界最大の自然保護区誕生

ナショナル・ジオグラフィックが、WWFの資金と技術支援のもと南アフリカ5カ国(アンゴラ・ボツワナ・ナミビア・ザンビア・ジンバブエ)に、世界最大の自然保護区が生まれたと大々的に報じている。「カバンゴ・ザンベジ国際保護区」(KAZA: Kavango Zambezi Transfrontier Conservation Area)というらしい。イタリアほどの面積をもち、36の国立公園、動物保護区、野生生物管理区域とツーリズム地域が含まれているという。

ナショナル・ジオグラフィックのニュースでは、南アの自然保護学者の否定的なコメントも載せている。要するに、参加国の政治的駆け引きの道具になる可能性とガバナンスの悪さの指摘である。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012032801&expand&source=gnews

KAZAのHP(もちろん英語である)にも行ってみた。実際のエリアを知りたかったのだ。http://www.kavangozambezi.org/index.php

これを見ると、ボツワナの「オカバンゴ・デルタ」と、ナミビアの「カプリビ回廊を」中心に、ジンバブエとザンビアの国境にあるビクトリアの滝、これにザンビアとジンバブエの国立公園をプラスといった感じである。(アンゴラも一応入っているが…。)

実は、ボツワナのダイヤモンドを中心とした経済発展は、サブ・サハラ=アフリカでは有数のものなのだが、その影の問題として野生動物、特にアフリカ象との関わりで様々な批判があったのだ。と、いうのもボツワナは、アフリカの国としては、かなり早くから国土の私有地化を進め効率の高い農業を行ってきた。その為のフェンスが野生動物の自由な移動を阻んでいたのだ。「オカバンゴ大湿原」も「カラハリ砂漠」も観光資源としてはアフリカ有数のものだが、野生動物保護という視点からはボツワナはちょっと問題ありの国だったのである。このKAZA、ボツワナの野生動物政策の転機を意味しているのだろうか。ちょっと注目していきたい。

このKAZAが、南アフリカ地域の観光産業をけん引する可能性は高い。開発と言う観点からは大いに期待できるだろう。ただ、様々な問題も噴出すると思われるのだ。そんな中、niftyのニュースで、このKAZA関連の面白い記事を発見した。ザンビアでの話だ。WWFが、象と人間の共存を図るため、トウガラシと象の糞を水でまぜ、農地の周囲に撒いたところ、侵入防止に成功したのだそうだ。農家にもトウガラシ栽培という収入源も生まれたとのこと。なかなか良い話だと思う。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/ng-20120328-2012032803/1.htm

0 件のコメント:

コメントを投稿