2012年3月21日水曜日

在アフリカ日本大使館増加計画

ナイロビ 日本大使公邸の暖炉
外相がアフリカや太平洋の島嶼国の大使館を増やすと言いだしたらしい。今さらながら中国のアフリカ進出を念頭においた発言のようである。JICAのケニア視察旅行の時、ケニア大使館がケニア以外の国の大使館業務を行っていることを知った。現在の状況を調べてみると、ケニア大使館は、ブルンジ、エリトリア、セーシェル、ソマリアの諸国を管轄していることがわかった。

ソマリアは隣接しているし、セーシェルは、ケニアの東方インド洋沖にあるので納得だが、エリトリアは間にエチオピアがあって直接行ける位置にはない。ちなみにエチオピア大使館はジブチだけを管轄下においているようだ。(エチオピアとエリトリアとの関係は極めて険悪なのでケニアが管轄しているのは理解はできる。)ブルンジともケニアは隣接していない。ウガンダ、ルワンダには大使館があるのに、小国でコーヒーくらいしかないブルンジはケニア大使館の管轄というわけだ。おそらく、地域の中心の国(たとえばケニア)にまず大使館を置き、いくつかの国を管轄していたところ、発展してきた国(ウガンダやルワンダ)に大使館を置いていって、まだ大使館を置く必要を認めていない国もあるので、こういう複雑なことになっているのだろう。日本大使館があるということは国益上必要で、日本人がそれなりの数が居住したり渡航するということである。昔から日本は豊かであったわけではない。当然、効率性からこんなふうになったのだろう。

現在、日本の大使館がないサブ・サハラ=アフリカの国は、以下の通りである。( )内は管轄している大使館のある国である。

セイシェル(ケニア)、ブルンジ(ケニア)、ソマリア(ケニア)、ジブチ(エチオピア)、コモロ(マダガスカル)、コンゴ共和国(コンゴ民主共和国)、サントメ・プリンシペ(ガボン)、スワジランド(南ア)、赤道ギニア(ガボン)、チャド(カメルーン)、中央アフリカ(カメルーン)、トーゴ(コートジボワール)、ナミビア(南ア)、ニジェール(コートジボワール)、モーリシャス(マダガスカル)、レソト(南ア)、リベリア(ガーナ)、シオラレオネ(ガーナ)、ギニアビサウ(セネガル)、ガンビア(セネガル)、カーボヴェルテ(セネガル)、南スーダン。

ちょっと分析して見る。セイシェル、コモロ、サントメ・プリンシペ、モーリシャス、カーボヴェルテは、小さな島嶼国である。私見だが、この中でモーリシャスとセイシェルは日本人観光客も増加しているので大使館があってもいいと思う。
ソマリア、チャド、中央アフリカ、以前のリベリア、シエラレオネはかなり治安が不安定なので大使館を置かなかったのだろう。
コンゴ民主共和国は、おそらくコンゴ川をはさんで首都のブラザビルと、コンゴ民主共和国のキンシャサが隣接しているので必要性が低いと判断しているのだと思う。
ナミビアに、大使館がないのが不思議。南アからのアクセスがいいからだと思うが、ナミビアのウランは日本がだいぶ買っているはずだし、観光客も増加している。外相の発言で、大使館増を検討する際、最有力候補かな。ニジェールにも是非。最貧国故に是非と思う。

こうやって調べていくと、なんとなくアフリカの国々が外務省にランク分けされていることがよくわかる。まあ当然といえば当然なのだが、アフリカも含めて世界中の大使にも序列が付いているのだろうと思うと、あまり気分のいい話ではないと、私などは勝手に思ってしまうのだった。

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