2012年3月18日日曜日

アホスキーの黒人街

先日、向井万紀男さんの「謎の1セント硬貨」の書評を書いた。さらに読み続けていて、ふと思い出したことがある。本の内容には触れずに、そのことをエントリーしたい。

昔、卒業式を終えて担任団でアメリカ旅行したことがある。その時の話である。ノースカロライナ州のニューバーンという田舎街が我々の目的地であった。ALTのお父さんが教頭を務める学校を訪問するためである。北にある海軍基地の町ヴァージニア州ノーフォークから往復したのである。私自身は、向井さんも書いているように、アメリカはドライブしながら田舎町をめぐるのが一番だと思う。いろんなところに寄り道しながら、いろんなアメリカ人と触れ合う旅。私のようなサバイバル・イングリッシュ・スピーカーでもなんとかなるものだ。私はアメリカにも人を見に行く。(もちろんヒコーキも見るけど…。)

今日の主題は、その帰路ニューバーンからノーフォークへと続くR17にある小さな町の話だ。アホスキーという、笑えるような名前の町である。誰かがトイレ休憩しようと言いだしたので、スーパーの駐車場に車を滑り込ませたのである。英語のO先生を先頭に、トイレを探しに行くと、「ない。」と言う。「?」全く想定外の答えだった。「従業員用のトイレならある。」ということで、我々は従業員用のトイレで用を足したのだ。

なぜスーパーにトイレがないのか不思議だったが、よくよく見ると、客も従業員も黒人ばかりだった。どうやらアホスキーの黒人街のスーパーに我々は突入したのだった。ニューヨークでも地下鉄駅や公園には公衆トイレがない。率直に言うと危険だからだ。

ノースカロライナ州は南部に属する、滅茶苦茶(白人が)親切な州だ。ハリケーンさえ来なければ自然も最高。私は大好きな州なのだが、このアホスキーのスーパーだけは雰囲気がまるで違った。しかし、我々は平然と従業員のトイレを使わせてもらった義理もあって、買い物をしていた。今から思うと、危険だったことはいがめない。しかしまあ午前中だったし、皮膚感覚では危険を感じることもなかったのである。うーん、懐かしい。10年以上前の話である。

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