2011年11月20日日曜日

アフリカの長者番付2011

CNNのWEBニュースが、長者番付で有名な米経済紙フォーブスが、アフリカ大陸の長者番付を初めてまとめ発表したと報じている。上位400人のトップは、ナイジェリアの建設業で財をなしたアリコ・ダンゴート氏で資産総額は約7700億円だという。

少し調べてみた。2005年3月には、中東とアフリカを一まとめにして発表している記録がWEB上に残っているので、これまで、中東・アフリカというカテゴリーで地域別に発表していたことはあるようだ。ちなみに、この時は、5位(世界91位)にエジプトのOnsi Swir氏、17位(世界418位)に南アのDnald Gordon氏が入っている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aszn1DanY1OU&refer=jp_europe

とはいえ、アフリカ大陸単独の長者番付が作成・発表されたことに、意義があるとCNNは報じている。それだけ世界経済におけるアフリカの重要性が増し、あらゆる国で多種の産業で冨が蓄積されつつあるという説明だ。
http://www.cnn.co.jp/business/30004654.html

なるほど。たしかに、アフリカの世界経済への重要度が増していること、またそのひとつの指標としての長者番付。開発と言う視点から嬉しいニュースであると私は思う。アフリカは、ガバナンスが悪く、経済における様々な統計等が不透明なことが多い。それが投資のリスクとなり、経済成長を鈍化させていた。その暗雲をこの記事は、ちょっとだが払拭したような気がする。おそらくは、そういう所得の統計をきっちり把握できている国は、サブ=サハラ・アフリカ諸国ではまだまだ多くはないと思う。だが、こうした発表が徐々にガバナンスの向上を促していくと信じたい。
一方、不透明な部分を完全に払しょくしたら、おそらくデモクレイジーの面々が長者番付にどーんと登場するだろうと思える。フォーブス誌は経済紙だから、そこまでやらないと思うけど…。

と、ここまで書いて、ブータン国王夫妻来日のニュースが毎日好意的に伝えられていることを喜ぶととともに、なんとも不思議な感覚を覚える事をも書かざるを得ない。ブータンのGNHの意味をマスコミが誤って捉えているような気がしてならないのだ。グローバリゼーションは必ず経済格差を伴う。ブータンのGNHは、アメリカ的なる価値観・効率性・拝金主義といったものが侵食するグローバリゼーションに伝統文化が対抗するものだ。極論するとGNHは、反グローバリゼーション的ブータンの信仰心に支えられている。『開発』とはなにかを突きつけているのだ。日本人は呑気にブータンの良さを賛歌しつつ、豊かさ維持のためにTPPの是非を論争している。うーん、あまりにマスコミの薄っぺらな感覚を私は危惧するのである。

この感覚は、アフリカの長者番付にも共通する。私は、あくまでこのようなアフリカの統計が、さらなるガバナンスの向上を図るだろう、それは投資リスクの軽減につながると思っている。『開発』という観点から、それは通常の感覚なのだが、一方でグローバリゼーションがアフリカを巻き込んだ経済格差の結果でもある。アフリカの人々は、経済的豊かさと精神的豊かさのどちらを望んでいるのだろうか。おそらくは、このような欧米的二元論で語れないものだと思う。わからない。だから考えるのだが…。今日も結論を持ちこすのだった。

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