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ちょうど、政治経済と言う名の「アフリカ開発経済学」の授業では、ジェフリー・サックスのMDGsについて教えているところだ。このHLF4も、そのMDGsの達成を最大の問題として討議されるのである。MDGsの多くは、2015年に達成されるべきものとされている。UNDP(国連開発計画)などの様々な資料から、その実現が危ぶまれていることは知っていた。で、このHLF4につて少し調べてみた。
釜山の会合が、HLF4と4という数字が付いているのは、これまでにもMDGsの実現のための同様の会合がもたれてきた(02年のモンテレイ、05年のパリ、08年のアクラ)ことの延長線上にあることを示している。つまり3年ごとに開催されているわけだ。
この間、世界の経済シーンは大きく変化している。最大の変化は、欧米や日本といった先進国の経済失速と、BRICsなどの新興国の経済成長である。そもそも、ジェフリー・サックスは、先進国のGNPの0.7%をMDGsに支出すれば、貧困は終焉すると断言していた。実際HLF1のモンテレイで、先進各国はこの0.7%をODA支出にあてると約束したが、その約束は守られていない。日本も0.2%である。
そんな中、今回の釜山では、様々な問題が噴出しているようである。それぞれ紹介していくと無茶苦茶長くなりそうなので簡潔に述べると、①援助の質の向上の問題(最貧困層のニーズにあっているか)②モニタリング(援助の効果を明確にする)のグローバルレベル化③OECDに参加していないBRICsや湾岸諸国など新興ドナーをいかに引き込むか④援助のアンタイド(用途が制限されないこと・ヒモつきでないこと)の問題などがあるようだ。詳細は以下のWEBをご覧いただきたい。
http://jp.devex.com/news/hlf-5.html
http://jp.devex.com/news/hlf-2.html
私は、このMDGs、確かに普遍的正義であると思っている。アマルティア=センの人間の安全保障という観点から、ジェフリー・サックスが作り上げた芸術的な世界的計画である。様々な国や機関、NGOが力を合わせてやっていくべきことであろう。ただ、2015年後は、ザンビアのモヨ女史が言うように、途上国の国債発行やガバナンスの成長、自助努力を信じて、あえて援助を停止するのもいいのではないか、と最近考えたりしている。
追記:我がブログに、お二人の新読者をお迎えすることになりました。浅井さんと、Whiteさんです。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。(稀勢の里みたいに気持ちをストレートに表現してみました。)
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