中央アフリカ共和国のウラン採掘が凍結されているようだ。フランスの原子力企業アレバが、福島原発事故後、ウラン価格が低迷していることを理由に凍結しているらしい。ウランの国際価格は、IMFによれば、事故前の1ポンド=$65から約20%下落している。世界的に脱原発の機運が盛り上がっており、価格が戻るのには1~2年かかるだろうとの見られている。これに、契約違反だと中央アフリカの政府が噛みついているとのこと。
http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=555325
日本の原発事故がこのような形でアフリカにも影響を与えているわけだ。グローバリゼーションの例としても格好の事例ではあるが、中央アフリカ共和国はHDI(人間開発指数)で、179位/182カ国という、最貧国の1つである。1日$1以下で生活する人々は66.6%。経済成長率は2.2%(2008年)、このところ10%以上の経済成長率を上げているサブ=サハラアフリカ諸国が多い中で、これは厳しい。ウランやダイヤモンド、木材などの天然資源に恵まれているがゆえの「天然資源の罠」。このレント(利益)をめぐる長年の内戦による「紛争の罠」。そして貿易に不利な「内陸国の罠」。そして「悪いガバナンスの罠」。ポール・コリアーのいう最底辺の国がはまる4つの罠の全てが揃っている国だ。一時はデモクレイジーどころか、クーデターに成功したボカサによる中央アフリカ帝国樹立という時代錯誤が行われ、GDPの1/4を皇帝戴冠式に使ったとかいう話題を振りまいたが、そのボカサも放逐され、今は地道に頑張っているらしい。日本もわずかながら、人間の安全保障を守るための草の根支援を行っている。日本の原発事故で、大きな収入減になっていることは、まさに気の毒である。良きガバナンスを構築することを前提に、透明性の高い重点的ODA支援をJICAに期待したいところである。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/10_databook/pdfs/05-30.pdf
2011年11月4日金曜日
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