2017年5月20日土曜日

経済産業省若手官僚の資料

PDF資料の3ページ目より
昔々、まだ20代だったと思うが、城山三郎の「官僚たちの夏」を読んだ。「官僚」という言霊には、「保身」とか「出世思考」とか悪いイメージがつきものだが、小説とは言え、気骨ある官僚の姿が描かれていた。一方で、当時は気象情報の「西高東低」をもじって「政高党低」(政府=官僚の力が強く、党=自民党の政治家は弱い:政治は中央省庁の官僚が握っていることを意味する。)などと言われ、「日本株式会社」とか「護送船団」とか揶揄されていたものだ。私にとっても「官僚」のイメージはあまりよくないのだが、WEBのニュースを見てあっと驚いた。

経済産業省の有志の若手官僚30人が、この5月18日、同省設置の産業構造審議会議第20回総会で、「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」という資料を提出したのである。これはWEB上で、パワーポイントのPDFファイル資料として、誰でも閲覧できる。世の中に広く問いかけるとう主旨からだろう。

とにもかくにも、一読してみた。実によく分析されている。エリートというより、行政のプロとして見事な仕事だった。日本の官僚もまだまだ捨てたものではないと思った次第。私のブログの読者の皆様には是非とも一読願いたいと思う。特に現在日本留学中のIBT出身の学生諸君には、総合科目の授業の中で日本の諸問題を論じた際の、行政のプロからの解答が出されたといっても過言ではない。是非とも一読し、資料として保管しておくだけの価値があると思う。この資料の内容については熟読してからまたエントリーしたいと考えている。

<WEB記事>https://www.j-cast.com/2017/05/19298473.html?p=all
<PDF資料>http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

住処の外で、鳥が鳴いている。マレーシアには野鳥が多いが、「ホエヨー」「ホエヨー」と鳴く鳥がいる。なかなかの美声だ。姿をいつも探すのだが見たことはない。当然名前も知らない。

自分の出世や保身のためでなはなく、日本という国家の未来を憂いて”吠えた”65枚のスライド。よく”吠えて”くれたと思うのである。

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