2017年5月10日水曜日

仏韓の大統領選挙 考

http://www.politicalcartoons.com/cartoon/19D68564-8544-4770-85F5-CC367D601638.html
先日、日本に留学しているC君からのメールで、フランス人の友人が自国の大統領選挙のことを非常に心配している様子を伝えてくれた。「女性トランプのような人物が大統領になったらどうしよう。」友人はそのように言っていたそうだ。幸い、フランスの大統領選挙は2回投票制で、上位2候補による決選投票を行うので、極右や極左の候補は当選しにくいシステムになっている。これも民主主義というものの怖さを十分認識しているフランスの知恵なのだろうと思う。たしかに、EU崩壊の危機を招くところだった。それだけ、フランスの有権者は、イギリスの国民投票の結果や、アメリカのの反知性的なポピュリズムを怖れ、軽蔑していることがわかる。しかし、現状に不満を抱く層が確実に増えていることは間違いない。一方、これで「第四帝国は安泰。」といった記事も見られる。これは、EUが事実上ドイツ支配下にあることを揶揄する表現である。(古代ローマが第一帝国、神聖ローマ帝国=ドイツ・オーストリアが第二帝国、ナチスがめざしたのが第三帝国、それに続くヨーロッパ支配というわけだ。)たしかに、ドイツ一国の通貨・マルクであれば、ドイツの経済はあそこまで発展していないだろう。ユーロの恩恵はドイツの国際競争力を底上げしているからだ。フランス人にとっては、あまり面白くはないだろうと思う。

一方、韓国の大統領選挙も、文氏が勝利したらしい。こちらは親北朝鮮派。韓国市民は北朝鮮との戦火を避け、アメリカに背く道を選択したわけだ。韓国は、日本ほど親米ではない。中国とも日本ともうまくいっていない。まさに四面楚歌の状況下で、危険な同胞との連携を選んだわけだ。感情的な選択だと邪推してしまうが、どの候補であっても反日なので、日本は静観&クールに対応するしかないだろう。今回の慰安婦像の件ではつくづく日本はあきれている。韓国が、その根底にある「恨」を捨てなければ、まともな付き合いはできないと感じている。しかも韓国は、ここにきて人口が減少期に入っているはずだ。国内市場の縮小も含めて、国際的信用を失い、経済的にもかなり追い詰められていくのではないか。だが、日本も中国もそう簡単に手をさしのべるとは思えない。なんとなく、ブルーな予感がただようばかりだ。

…アメリカは、ここにきて、北朝鮮危機を中国にまかせて、他の外交日程、特に中東にシフトする可能性が高い。当然、北朝鮮が調子に乗って核実験でもしようものなら、またまた大騒ぎになるはずだ。中国はかなり頭に来ているし、もう緩衝国としての重要性はなく、火薬庫でしかないようだ。中国はこの選挙結果については、THAADの撤去に繋がる可能性が大きいので一応は歓迎するだろうが、その後の動きに関して、自国の国益に反する場合は、在中ロッテいじめのような中国らしい強権的な対応をとるだろうと思う。
 日本政府、安倍内閣はこれ幸いと改憲に走る姿勢を見せている。有事への備えは私も必要だと思うが、改憲については慎重に審議すべきだと思う。平和主義は、すでに日本の戦後70年の国是になっていると思うからだ。

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