2016年7月23日土曜日

IBTの話(21) マグレブ

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今週、総合科目では、WWⅡ後の現代史と関連して国連やPKOの話などを講じていた。フランスがアメリカから距離をとって多極化していくという箇所で、マグレブ3国を教えた。マグレブというのは日の落ちる西方という意味のアラビア語らしい。普通、チュニジア・アルジェリア・モロッコをさすのだが、アルジェリアの独立だけが他より遅くなった理由は何だと思うか?などと質問していたのだった。(実は、この”マグレブ”という語彙は、センター試験の地理B対策では隠れた急所なのである。EJUではどうかわからないけれど…。)

すると、マレー系の国費生から、このマグレブというのは、イスラムの礼拝の日没時をさすコトバだという発言があった。「おお、完全に意味は一致するなあ。」などと、お互い盛り上がっていたのだった。
ところで、イスラム教徒は5回礼拝があるが、マグレブは4回目だと私は思っていた。つまり、夜明け、夜明け以降、影が自分の身長と同じになるお昼、日没、そして夜と、1日を追って続いていると思っていたのだが、実は日没が第1回目なのだと生徒に教えてもらった。思わず”、へー。”と、タモリの昔の番組みたいに教卓を20回叩いたのだった。せっかくなので、礼拝について少し調べてみた。

マグレブ(日没時)は、3ラカート(お辞儀の姿勢の数で礼拝の単位)
イシャー(夜):4ラカート
ファジャル(夜明け):2ラカート
ズフル(夜明け以後):4ラカート
アスル(昼):4ラカート

2ラカートのファジャルの時は、コーランの第一章ファティーハ(6月4日付の「中田・橋爪『クルアーンを読む』2を参照」)を読んでから、任意の一節を読む。これで終わり。3ラカートは、これにもう1回ファティーハが3回目に追加され、4ラカートはさらにもう1回追加される、ということらしい。…なるほど。(もちろん、これはスンニー派の場合)

マレーシアに来て、こういう今までにない新たな発見というか、知的な刺激を日々受けている。
マレーの国費生からすれば、妙にイスラム教のことを勉強していて興味を持っている”変な先生”という認識だろうと思っていたのだが、多くの生徒は私のイスラムへの興味・理解を非常に嬉しく思っている、とのことだった。ありがたいことである。

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