2016年7月14日木曜日

IBTの話(16) 弁論大会

校内の第16回日本語弁論大会が、本日午後、日本人会館ホールで開催された。F36(20ヶ月コース)の5クラス、F37(12ヶ月コース)1クラスの全員が弁論大会用の主張原稿を書いて、その中から14名がセレクトされ今日の晴れ舞台を踏んだらしい。

私は初めてなのでよくわからないけれど、日本語の先生方もセレクトするだけでも大変だったにちがいない。おそらく、EJUの受験担当をする(つまり毎回弁論大会に参加する生徒を教える)私は、これから何度も見ることになる(授業が休講になっても、少なくとも見ることは絶対可能)だろうと思う。今回は第1回目、実にメモリアルである。せっかくなので、タイトルと内容を少しだけ記しておこうと思う。

1.特別な家族(F36A:女子)
  半分しか血のつながっていない姉とその娘と自分、そして母のおりなす家族愛の話。
2.目は心の窓(F36C:女子)
  「目は口ほどに物を言う」という、マレー語・英語・日本語に共通の格言を考察する。
3.デコボコの道(F36D:男子)
  自分を愛して続けてくれた祖母の思い出を語る。
4.お化けがでるんだって(F36D:男子)
  「ウソ」をつくことについて、その善悪を考察する。
5.私の求めているもの(F36D:男子)
  自由とは何か。その自由を阻むもの、さらに阻まれなければならない自由とは。
6.ヒーローはいったいだれ?(F36E:男子)
  仮面ライダーに憧れた自分は、ヒーローを目指す。
7.村娘(F36E:女子)
  子供の頃、私は両親の菜園で農業を只管させられた。だからこそ今頑張れる。「12.チカラウタ」とともに、センスが光るタイトルだと思う。
8.たった一つの希望(F36A:男子)
  のび太のようだった自分は、今は良き友人を得て、共に日本留学を目指している。
9.私の夢(F37:男子)
  小説家になりたい。だから、今、日本語を学んでいる自分。
10.自分をかっこよくする方法(F36A:男子)
  運動することは根気と忍耐を育て、友を得る道。そして隠れた自分の自信を取り戻す鍵である。
11.私へ(F37:男子)
  19歳のひたすら内証的かつ文学的な自分への手紙。
12.チカラウタ(F36C:女子)
  歌には力がある。自信を失いかけていた自分を取り戻せた歌の力を語る。実に文学的な素晴らしいタイトルだと私は思う。
13.人生の階段(F36B:女子)
  いじめられっ子だった自分が立ち直れたのは日本への短期留学だった。
14.完成編 長文1(F26C:女子)
  修学旅行で訪れたカリマンタン島の原住民の村。そこでの異文化体験と考察・自省。

内容もかなりよかったのである。生徒たちも、自分のクラスの生徒を手作りの紙のアイテムを使って大声援で応援していたし、司会を始め運営も生徒が自主的に動いていた。審査中も生徒たちのパフォーマンスがあったりして、大いに盛り上がっていたのだった。勉強、勉強のIBTだけど、こっちの優秀な生徒たちも、日本の高校生同様、学校生活の楽しみ方をちゃんと知っていると思ったのだった。

審査の結果、1位/8 2位/10 3位/7 特別賞として11と13の生徒が表彰された。さらに上の大会に3人が代表として送られるらしい。是非とも頑張って欲しいものだ。

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