2016年7月31日日曜日

国際理解教育学会 新プロジェクト

日本国際理科教育学会の、私は一応会員である。毎回研究発表大会に参加して現地で会費の更新をしていたのだけれど、今年はマレーシアにあって、長岡教育大学の大会に参加できなかったので更新していない。故に(会費未納入の)不良会員になってしまった。これからも大会に参加できそうにないので自然退会することになると思われるが、仕方がない。そういう覚悟をもって渡馬したのだから。だが、同志の皆さんがどんな研究しているのかは知っておきたいと、ひさしぶりにHPを開いてみた。

すると、「国際理解教育の理念と方法を問い直す」という共通テーマのもと、「この指とまれプロジェクト」を行うらしい。プロジェクトは3つ。どれも魅力的なテーマだ。原文のまま紹介したい。

1.グローバル時代の市民像を問う 
近年、道徳の教科化、グローバル人材の育成、18歳選挙権導入にともなう主権者教育の実施など数々のトピックが、政策課題としてやつぎばやに浮上してきました。ユネスコもGCEDを提唱する中で、国際理解教育はいま、さまざまな市民像がダイナミックに交錯する事態に直面しつつあります。この事態を受けて本委員会では、政治経済の動向や国内外の思想状況の分析から”市民性の現在”の解明に取り組むことにより、改めて国際理解教育の理念を問い直します。
*GCED: Global Citizenship Education(文部科学省HPに詳細・掲載中)

2.難民問題から国際理解教育を問う
シリア難民問題が世界的なレベルでの大きな社会問題になる中で、平和・共生をめざす国際理解教育は、この問題をどう捉え、どう扱うのかが問われています。難民を生む社会構造の問題、難民にとっての生活・教育上の問題、難民を受け入れる国・地域が抱える問題など、切り口は多様ですが、改めて日本国内のインドシナ難民・ミャンマー難民などのこれまでを踏まえつつ、難民と教育の関連を問い、これからの国際理解教育を問いたいと思います。

3. SDGs時代の水・気候変動を問う
人間、そして、地球上のすべての動植物が生きる上で絶対に必要な「水」。しかし、「水」は地域や国によって様々な課題を抱えており、気候変動(地球温暖化)にも大きくかかわる問題です。また水問題はSDGs時代の国際理解教育への大きな課題となってきています。本プロジェクトでは、現在、注目されている水・気候変動教育を問い、子ども・若者たちが大陸を超えて学び合い、問題解決に向けた具体的な活動を通して協同活動や交流を生み出すことを目的とする活動です。

うーん。私は参加できないけれど、それぞれに興味がある。1のプロジェクトで語られるだろうことは、およそ見当がつく。市場経済はグローバル化を志向しながら、政治は内向きなポピュリズム化のねじれ構造にあること、構造的暴力がますます経済格差を生んでいることが”市民性の現在”なのかなと思う。2のプロジェクトも、興味深い。どの切り口も魅力的なテーマだ。どうしてもシリア難民の問題にスポットが当たっているけれど、それはあくまで欧米先進国の利害に直接的だからで、アフリカの難民の存在は、メディアなどからは忘れ去られている。私が関わるならそういう切り口になるかなあ。3は、SDGsがさっそく話題になり嬉しい。水や環境問題は全くの素人なので、よくわからないが、大きく実践的な広がりを志向しているところが大好感である。

とまあ、第三者ではないのだけれど、第三者的な勝手なことを書いてしまった。国際理解学会の皆さんのご健闘を陰ながら祈りたい。
http://kokusairikai.com/cont/?p=242&cat=1

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