2015年6月16日火曜日

日経 マグナカルタ 800年

日経に小さな記事が出ていた。昨日15日で、イギリスの大憲章=マグナカルタが成立して800年なんだそうだ。マグナカルタは言うまでもなく、ジョン王の悪政に対して、貴族たちが認めさせた「法の支配」の原点である。

細かいことをここで解説する気はない。それより、この記事で今の日本で最大の関心事となっている安保法制が、違憲だという憲法学者3人の意見が表面化したことで、日本にも民主主義の意味が問われ始めていることを改めて意識した次第。

何度かブログでエントリーしているが、日本の民主主義は勝ち取ったものではない。敗戦後与えられたものだ。欧米とはかなり社会構造が違うとはいえ、民主主義の歴史は、権力との闘争の歴史であるといってよい。憲法はそのシンボル的な存在であり、権力を制限することがその趣旨である。これは、欧米的民主主義の普遍的なスタンスだ。3人の日本を代表する憲法学者たちが、違憲だと述べたのはこの普遍的なバランスを壊すのか?という問いかけだと私は認識している。

私は、今回の安保法制、アメリカのアジアでの戦争に、日本も状況次第では参加できるんだぞ、というブラフ(脅し)であると思っている。もしかしたら小競り合いはあるかもしれないが、このグローバル化した新帝国主義の時代、国の存立をかけた戦争は起こらないという確率は非常に高いと思う。とはいえ、この法案のために平和を国是とする世界でも希な国家・日本が被る不利益は大きい。何より、憲法をないがしろにする民主主義の破壊は見逃せないと思う。ジョン王よ、そんなにやりたいのなら、憲法改正の発議だろう、というのは正論である。おそらくは、大阪のジョンのように国民投票で否定されると思うが…。

ともあれ、願わくは、この安保法制論議、日本の民主主義の深化につながればと思う。

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