今年の正月は、TVなどできるだけ見ずに静かに読書に勤しみたいと思っていた。と、いうわけで元旦の今日は、このブログをエントリーしている時点でまだ見ていない。TVをつけないと静かである。昔は、正月は静かだった。店も子供のお年玉狙いのおもちゃ屋くらいしか開いていなかった。(笑)こういう個人的復古主義もいいかなと思う。ニュースなんぞもWEBでGETできるし…。
で、本を読んでいる。「インフェルノ」もそうだが、もう1冊、文庫本もある。集英社文庫の「夫婦で行くバルカン半島の国々」(清水義範著/13年4月25日第1刷)。この、バルカン半島の国々というのは、旅行記があまりない。元社会主義国が多いし、ユーゴの内戦もあって、未知の地域が多い。本校では、地理の授業が少ないので、もう教えることもないかと思っているのだが、やはり倫理と地理が専門の私としては知識欲に火がついてしまう。で、「インフェルノ」と共に購入したわけだ。
マケドニアから話が始まる。マケドニアは、ずいぶんと国名をつけるときに気を使った国であることは知っていた。マケドニアといえばアレクサンドロス大王である。未だに、大王は英雄故、ユーゴ内戦後の独立時にマケドニアと名乗るには、周囲から大反対の声が上がったのだ。この本では、その詳細が書かれている。
次にアルバニアである。アルバニアといえば、中国が国連復帰する際のアルバニア決議案で有名だが、同じ社会主義国でありながら、ソ連とのあつれき故に中国を支持したというのも有名。後に鎖国したことも有名。これくらいはちゃんと地誌で教えてきた。だが、私の知らない話が載っていた。それは、社会主義から民主化し、市場経済に移行する時、「ねずみ講」が大流行したらしいのだ。この「ねずみ講」、最初は、ユーゴ内戦への武器密輸など投資が成功し、さらに拡大したのだが、経済学的、いや算数でもわかるのだが、参加者が増えないと破綻するのは当然。全国民の1/3とも半数とも言われている会員が全財産を失ったという。…凄いな。
市場経済というのは、こういうものだというデマに泳がされた「社会主義の人民たち」は大混乱し、やがて暴動に発展したらしい。ウィキで確認したが信じられないような本当の話だ。トーチカがアホほど(60万?)残っていたり、なかなか不思議な国なのだった。
この本、なかなか面白い。と、いうよりアルバニアという国が面白すぎるのかしれないが…。
追記:新年のご挨拶を忘れていました。本年もよろしくお願いします。 katabiranotsuji
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