2014年1月13日月曜日

NHK "Japan brand"

昨夜見たNHKスペシャルは、示唆に富んでいたと思う。「シリーズ・日本の成長力”ジャパンブランド”」というタイトルである。中国や韓国に(価格の安さで)追い込まれている日本のこれからのビジネスは、日経の元旦の社説が言う(1月3日付ブログ参照)、「日本力」であるという話だ。

…日本に来た外国人が驚くような、日本では当たり前のシステムがある。鉄道運行の正確さや自動販売機、販売サービスなど、我々が気づかない「日本力」である。妻が、長崎に行ったとき、空港から市内に向かうバスに外国人が乗っていたそうだ。高速道路のETCシステムに、いちいち驚いていたらしい。バスが低速で進み、バーにぶつかる!と思ったら上がっていくのが、不思議らしい。何度も「ウォー!」と言うので、妻は大笑いしていたのだとか。

…こういう繊細な技術とサービスが「日本力」である。たしかに、アメリカなどでは、タクシーは自動ドアではないし、NYのペン駅でもロスでも鉄道も出発するプラットフォームが直前までわからない。時間も不確かだ。日本より便利だなあと思ったことはあまり記憶にない。(フリーウェイは日本よりはるかに出入り口がわかりやすいけど、国土が広大故だと思う。)私が、アメリカで日本をはるかに凌駕していると思ったのは、ミュージカルやSTOMP、ブルーマンや博物館の展示などの「エンターテーメント」の完成度であった。もちろん、それぞれの国に良さはあるし、だからこそいつも海外に行きたいのだが、日本の持つ安心感はやはり飛びぬけていると感じる。

…私が最も感慨深く見たのが、ケニアのナイロビのスラムで、ある日本企業が電気や上下水道といったインフラを必要としない住宅(インフラフリーユニット)を建設しようとしている話だった。電気は中古のソーラーシステム、上水道は雨水タンクであるが、トイレが凄い。生ごみなどを肥料に変える機器を使っているのだった。快適なトイレは水洗だが、世界中で、水洗トイレに使えるほど水インフラが整っている場所はそう多くない。いずれ、世界的な水危機が訪れる。そこで、こういうトイレを開発したのだという。目の付け所が凄い。日本は先端技術に優れているが、先端でない技術でもどんどんうまく活用していく。日本は安心で快適な生活を送るために、常に考えてきた。ケニアの人々に喜んでもらえる技術を考え出したわけだ。ケニアのおばちゃんが大喜びしている姿に、私は大いに感じるものがあった。

番組のHP:http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0112/
グリーントイレの情報:http://diamond.jp/articles/-/38397
TICADⅤでの展示画像:http://kenchiku-blog.blogspot.jp/2013/05/lixil.html

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