社会科教室なので暗幕がある。超小型プロジェクターを使っての授業となった。まあまあ盛り上がったのだった。ただ、真っ暗なので、反応がもうひとつわからない。そこが難点だなと思う。英語科のLL教室は、明るいまま、パソコンのモニターを見ながらなので、反応がよくわかるのでやりやすいのだ。
もうひとつの5番街のミュージアムマイルでの話は、その対蹠にある話だ。メトロポリタン美術館を一気に見終えて、ベンチでこれまた喫煙していると、親子連れが南のほうから歩いてきた。白人のちょっと老と言った方がいい夫婦が、黒人の男の子を連れて歩いているのだ。しかもその子は障害を持っているようだった。だから、ゆっくりと歩みを進めてくる。老夫婦の顔は幸せに満ちていた。推測するに、彼らは養子として彼を迎えたのだと思う。アメリカで養子を申請する場合、男女も人種も指定できない。老夫婦は、彼を心から喜んで迎え入れたのだろう。ほんと幸せそのものの散歩姿だった。北へ向かい、金色の夕陽が彼らの背を照らしていた。私は感動して、彼らに合掌したのだった。
真剣に、生徒諸君に訴えた。アメリカに黒人への差別はあるのか、ないのか。本当のところ、私にはわからない。ただ、私が経験したことは事実だ。是非自分の目で見てきてほしい。総合的学習としてのアメリカ学入門で語りたいことはいっぱいあるのだが、この2つの話は、なんとしても語りたかったことである。
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