2014年1月12日日曜日

参加型学習で学ぶ「ヒロシマ」

先日、『地球市民共育塾ひろしま』から、教材集が届いた。昨年夏の広島での国際理解教育学会で、塾の方に私の発表を聞いていただき、アフリカSDゲームの資料を送付させていただいたことがきっかけだ。”参加型学習で学ぶ「廣島」「ヒロシマ」「Hiroshima」”と題された教材集で、県立広島大学と共同で製作されたとのこと。

この、長めのタイトルには、大きな意味がある。これまで、広島の平和教育といえば、すなわち原爆であり、その惨禍を後世に伝えていくことであった。きわめて重要な教育である。しかし、「過去形」の原爆教育への特化だけでなく、世界の現実(構造的暴力)に目を向ける「現在形」、さらに平和構築へ向けた「未来形」の実践も必要ではないか、そういう趣旨でこの教材集が作られたのだという。それで、タイトルの「廣島」は、被爆前の人々が生活する街(原爆で一瞬にして奪い去られた人々へ思いを巡らす平和学の原点として)を、「ヒロシマ」は1945年8月6日(この被爆体験の継承)を、「Hiroshima」は世界へのメッセージを発信するという意味合いが込められているのだという。

すばらしい教材集である。私が特に感銘を受けたのが、「外国で平和展を開こう」というワークショップである。実際に平和公園や資料館を調べるのが理想だが、バーチャル・ミュージアムでも実施可能なところが凄い。外国に伝えるという観点から、生徒が視野を広げ、何を訴えるべきかを考えるというのがすばらしいと思うのである。WEBで画像検索したら、まさにそのチャート図があった。こういう参加型の学びこそ、今求められているものだと私は思うのだ。

改めて、教材集を送付いただいた地球市民共育塾ひろしまの中須賀さんにお礼申し上げたい。

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