http://yanogawa.wordpress.com/2013/01/09 |
注文した商品の一覧も見れるようになっていた。もし、注文したのに来ていないものがあれば一目瞭然である。他の席の人が、スマホやタブレットのように指で画面を動かしていた。そんなこともできるんだ、とちょっと驚いた。
私は、これまで何度か授業で「マクドナリゼーション」を講義してきた。マクドナリゼーションというのは、ハンバーガーショップのマクドナルドに代表されるような、現代ビジネスの効率性重視を言うコトバだ。味も含めて、どのチェーン店でも商品が均一性を持っていることや、注文から消費者に届くまでの早さ、労働者の動線が極度に効率化されている労働生産性など、あらゆる点で効率性を重視し収益を最大に持っていこうとする点に特徴がある。
たとえば、マクドナルドの商品は注文から30秒以内にほぼ手に入るようになっている。(私も何度か時間で計ったことがある。)店舗スタッフの動線は極めて計算されていて短くなっている。これは吉野家の店舗のほうが生徒にはわかりやすいようだ。日本国内であれば、どのマクドナルドでも同じ味で、同じ大きさ、同じ価格。それが反対に安心を消費者に与えるわけだ。実際、大阪人の私は東京では、マクド(大阪ではこう表現するのが一般的である。)にしかいかない。
くら寿司の今回の改変もまさにマクドナリゼーションである。特に注文した商品のスピードアップは、注文の数を増やし、売れ筋のビッグデータを蓄積し、マーケティングに有利になることは容易に想像できる。
実は、このこのマクドナリゼーション、グローバル化の中でのも、アメリカ的なるものが世界のスタンダード化していくという意味で、「最もわかりやすいアメリカ化」であるのとされているのだが、効率性の追求についても日本でさらに進化しているのだと感じる。ただ、これが「日本力」だと言ってしまうには少し抵抗がある。きめ細かいサービスの向上ではあるが、そこに「効率」「生産性の向上」という絶対的な価値が基盤にあっての話だ。社会学や経営学の視点から、こういう「日本力とは何か」という研究がますます行われていくような気がする。
まあ、久しぶりに寿司を堪能しながら、そんなことを考えていたのだった。
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