先日、ESDのための仮想世界ゲームが、個人参加からグループ参加となり、それまで考えられなかった透明人間の労働市場進出という事態が起こった。(笑)結局ダメ出しをすることにした。もう少し人口が増えることについては、メリット、デメリット対比してを考えたい。
一方、株の扱いもグループ参加故に、面白い発想をする生徒が出てきた。『日本』の首相K君の経済戦略である。これも個人単位で株を購入していた仮想世界ゲームに比べて大胆な発想だった。
まずは、今回のESDのための仮想世界ゲームでは、ゲームの平易化を進める為に、次のように決めた。先進国の各企業主は、まず労働チケットを購入していく。もちろん途上国とは市場バランスが働く。最低でも10sim(simというのはゲーム内の通貨単位。)であるが…。さらに株を一律30simで販売し、資金を集めることになる。この労働チケット数+販売した株数の合計で順位づけを行うこととした。1位は株によって得た資金×1.55、2位は×1.50、3位は×1.45とした。
これまでの仮想世界ゲームでは、もう少し複雑であるが、おおむね企業の利益率は同様に高く設定されている。つまり、仮想世界ゲームで企業は大儲けもできないが、赤字になるようには設定されていないのである。人口が変化しない仮想世界ゲームでは、マネー・サプライ(ストック)が増えるのは、唯一企業主による利益(株の資金×1.55など)である。
マニュアルを読み込んだK君は、このゲームの核心部分をついてきた。私にこのような提案をしてきて、その是非を問うたのである。「日本は、食糧・労働チケットの売買を終えてから、現金を全て株に変えます。その株(日本への投資分:債権)をアメリカに買ってもらいます。もちろん現金で。日本に置いておけば次回初めの配当はゼロですが、アメリカに売る故に配当をつけます。日本はこれで得た現金でまた日本の株を買います。それを同様にドイツに売り、現金を得ます。その現金で日本株を購入します。こういうの、どうですかぁ?」
なるほど。日本が主体となって、先進国の現金を株の投資に向かわせるわけだ。手持ち現金以上の株の購入はしないようにと言ってあるが、日本は、自国株を債権(金融商品)として少なくとも自らの現金以上の株投資を得ることにもなる。うーん。株券を金融商品化する手法といい、ちょっと信用創造っぽいなあ。だが、一気に仮想世界への資金流入が加速されることは間違いない。
こういう発想で挑戦的に取り組む姿勢はうれしい。OKを出すかどうか、前向きに考えているところである。
2013年1月15日火曜日
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