2013年1月14日月曜日

八瀬童子と猪瀬直樹

全国的に荒れた天気である。実はこの三連休中に、また夫婦で京都へ行く予定をしていた。先日シャガール展を見た時、同じ場所で「八瀬童子展」が行われているからだ。最終日が今日だったのだ。行きたかったのだが、日曜日夫婦共々体調不良(というほどでもないけれど…)で断念したのだった。うーん、残念。

八瀬童子は、猪瀬直樹(ついに東京都知事になってしまった。)の「天皇の影法師」の中で出てくる左京区在住の人々で、長く比叡山の雑務をしていたが、後醍醐天皇を守って延暦寺に逃して以来、地租・課役の永代免除を受ける代わりに、天皇の雑務、特に大喪の礼では棺を担ぐ役割を担う。実際大正天皇の時は棺を担いだ。ちょうと昭和天皇が崩御された時、私は八瀬童子が出るものだと思っていたが、実際はアドバイザー的存在になってしまった。

不思議な人々である。最澄が連れてきた鬼の子孫だともされ、比叡山と争った時は「結界」を貼られたり、妻の大好きな神秘主義的な立場からは、魔界京都の(風水でいうところの)鬼門にあたる。私は、そういう話には疎いので、ふーん。と言っておしまい。

それより、天皇には、八瀬童子の存在に代表されるような天皇家にまつわる神道的な部分があるのだが、WW2以後は、どんどんその衣が剥がされていっているような気がする。そういう事の方に私は興味がある。近代というのはまさにそういう流れだがら仕方がないか…。
猪瀬直樹は、そういうところに着目して様々な素晴らしい作品を残している。元々が、信州大学の全共闘委員長だから、政治家になるのは本望だろうが、私はいつまでも作家であってもらいたいし、いい作品を書いてもらいたい、都知事になってしまったのは実にもったいないと思っている。(笑)

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