2013年1月8日火曜日

続 「テルアビブから」を読む

アレクサンドリア(VA)
昨日のエントリー『朝日の「テルアビブから」を読む』の続編である。先日NHKで、普段はBSで放送している番組を地上波で流していた。在日の外国人たちが、日本人の意外な面について意見交換をする番組である。それがなかなか面白かったのだ。外国人たちは、日本人がどこでも寝ることに異を唱えていいた。

なるほど。ビデオを見ると電車の中では当然のこととして、たしかに公園などでも昼寝している日本人も多いようだ。外国人からすれば、信じられないという。南アフリカ人は、「電車で寝たりしたら、全て奪われるよ。」と発言。スタジオ内の笑いを呼んだ。南ア、特にジョハス(ヨハネスブルグ)なんかでは十分ありうると思う。日本人が公衆の面前で寝れるという背景には、日本の治安の良さがあるようだ。安心感がなければ寝たりできないという論議が続く。

昔、ワシントンDCから地下鉄に乗ってバージニア州のアレクサンドリアに行った帰り、思わず電車内で寝込んでしまい、ゾッとしたことを思い出す。後にも先にも外国でひとり近郊電車に載っていねむりをしたのは、この時ぐらいである。よほど疲れていたのだろう。一人旅では、たしかに簡単に寝たりしない。

昨日の「テルアビブから」が問いかけていることは、そういう緊張感が日本にはない、ということなのだろう。日本の長所でもあると私たちは思う島国に住む農耕単一民族故の「間合い」は、決してグローバルスタンダードではない。

テルアビブの街が、日本とは180度違う、絶えず緊張下にあるのは事実だ。エレサレムとはまた違う空気が流れていた。石合氏の言わんとする危機感は私にも伝わってくる。それは多文化共生故の緊張感だと思うのだ。

この多文化共生に最も遠い日本。だからこそ出来ることもある。イスラムやユダヤ、ヒンドゥーと無関係だからこそできる仲介外交。東チモールでのPKOや、ヨルダンとパレスチナ、イスラエルを結ぶ日本政府の働きもある。マイナスをプラスに変えることも可能である。本物の地球市民育成が急がれる。

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