毎日新聞の『木語』、金子秀敏氏の「氷の島でゴルフ?」が久しぶりに面白かった。『氷島』は中国語でアイスランドを意味する。今回のコラムは、アイスランドにおける”中国話”なのである。
先日、マダガスカルに行きたいと書いたが、私はアイスランドにも是非行きたいと思っている。木語にもこうある。『氷河と火山観光が有名で、北のグリムスタディルには欧州最大の滝がある。』…アイスランドはプレートが東西に広がっている地域で、有名な地球の裂け目、ギャオを是非見たいと思っている。
続いて、『(グリムスタディルの滝のある場所は)便利なところではない。ところが、ここの土地300平方キロを買おうという中国人が現れた。国土の0.3%だ。1億ドルを投じてゴルフ場とエコ観光施設をつくるという。』
この中国人、黄氏は中国で161位の大金持ちらしい。観光と不動産開発で巨富を築いたという。アイスランド政府内では、この話で対立が起こっているらしい。内相は、アイスランドは北極圏に面し、米露の原潜や戦略核ミサイルがにらみをきかす軍事要地であり、軍事情報を中国が得ようとしているのではないかと疑っているのだ。…確かにアイスランドは、冷戦時代にはNATOの原潜探査の重要な基地であった。軍事的な地勢価値は高い。
これに対し、大統領は、観光投資しようとしてるのは中国人1人であり、それが脅威といえるかと反論。2008年のアイスランドの金融危機で助けてくれたのは、中国とインドだけだったとも。
香港紙によると、中国はマカオの海上カジノに使うという名目でソ連空母を企業が買い、結局中国軍の空母になった。企業のバックに軍がいるとほのめかしている。…どうやら、内相の危惧は、あながち的外れとはいえないようだ。
地球温暖化で2015年には北極海周りの北西航路が開通するとか。中国の天津港から、黄海、日本海、オホーツク海、ベーリング海、北極海を通り、アムステルダムまでいけるようになる。欧州の入口がアイスランドである。このところ、ロシアの艦隊が日本海で活発に活動しているのも、日本海の重要性を認識しているからではないかと、『木語』は結んでいる。…なるほどなあ。中国も、ロシアも、大局から戦略的に世界を見て動いているのだぞ、それに比べて日本は…という話になるのだろう。わかるような気がする。バクス・アメリカーナ(冷戦後のアメリカによる平和)は、だんだん過去のものになっているのかもしれない。
2011年9月15日木曜日
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