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伊30は、このブンカーに収まりきらず艦尾部を外に突き出していた。Uボート仕様なので小さいのだ。今回のエントリーは、伊号潜水艦とUボートの比較の話をエントリーしたい。実に興味深い相違がある。ドイツ海軍の潜水艦乗りが、伊30を見学し様々な批判をしたらしい。実にドイツ人らしいく思う。
まずは、伊30のエンジン系統の騒音が激しすぎることである。Uボートのエンジンその他の騒音はたしかに少なく、床などにも足音を消すような特殊な配慮がされていた。伊号はエンジン部の据付けが直接ボルトで締め付けられているのに対し、Uボートは、鉄板の両側をゴム板で挟み付けたものをボルトでしめる防震間座がほどこされていた。
第二に、船体の大きさである。魚雷搭載数がほぼ同じであるのに、100名の乗員を必要とする伊30に対して、Uボートは700t級で30名であった。
これらは、日独の作戦海域の相違からきていた。Uボートの作戦海域は狭く、イギリスは夥しい哨戒機と艦艇を放ってその撃沈に努めている。よって、Uボートは騒音を発しないことが重要なのである。しかし、伊号潜水艦は、対潜密度が薄い広大な太平洋を作戦海域としている。とはいえ、騒音問題は指摘のとおりで日本海軍は反省すべき課題であるということになった。
艦の大きさについては、Uボートが通商破壊戦を目的にしているのに対し、戦艦、巡洋艦、駆逐艦、空母等によって構成された艦隊との共同作戦を行うように設計されていた。伊号とUボートの潜航時の速度はほぼ変わらなかったが、水上航走では、Uボートの16ノットに対して23ノットであったし、遠距離からの複数魚雷発射など大型化した理由があった。これに対しては、ドイツ側は批判を撤回した。
こういう批判・論理を構築するのは、実にドイツらしい。日独での潜水艦作戦の比較・相違も実に興味深いと私は思う。このころの潜水艦は、アメリカなどは、かなり弱いものと海軍上層部には認識されていたようで、常に駆逐艦の爆雷攻撃に怯える存在だと思われていたようだ。
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