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パナマ運河の重要性は言うまでもないが、たとえばアジアからコンテナでアメリカ東海岸を目指す場合、アメリカ本土の大陸横断鉄道を利用したほうが早いそうだ。大陸横断鉄道といえば、77kmと世界一短いのが、パナマ地峡鉄道。運河開通の半世紀前、1855年の開通で、アメリカの大陸横断鉄道よりも14年早い。ちなみにこの鉄道には、幕府の小栗上野介らの使節団がサンフランシスコからワシントンD.C.に向かうために乗っている。その12年後には、早くも日本最初の新橋ー横浜間の鉄道が開通している。
ところで、パナマには軍隊がない。隣国のコロンビアとは友好的関係であるし、コスタリカも同じく軍隊を廃止した国である。1988年にノリエガ将軍が麻薬組織と共謀してアメリカに密輸を繰り広げていたことに、パパ・ブッシュ政権が軍事介入して以来のことで、アメリカとしては珍しく後腐れのない軍事介入であったようだ。1999年末カーター政権時にパナマ運河をパナマ政府に返還、米軍も完全撤退した。アメリカにとって運河の自由な通行が重要で、運河の収入はパナマ政府にとっては重要であるが、アメリカにとっては雀の涙(著者の表現)であるし、パナマ国土や国民の支配は無用であるからだ。ただ、第三国がこの運河の自由高校を妨げれば、アメリカは黙ってはいないはずで、この経済的利害関係がパナマを守ってくれているといえそうだ。
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