2022年10月25日火曜日

「深海の使者」吉村昭

先日「頭山満伝」とともに市立図書館で借りたのが、またまた吉村昭の「深海の使者」という文庫本である。吉村昭には軍記物というジャンルがあるのだが、あまり触手が動かない。ただ、この本は、太平洋戦争中にドイツを目指して行く潜水艦の話なのである。思わず借りたのには訳がある。

同年代の方にしかわかってもらえないと思うのだが、日本の潜水艦がドイツまで行くとなれば、東宝映画「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」なのである。この怪獣映画は、最後は信じられない(子供だましの)終わり方をするので、名作とは言い難いが、物語の始まりは天下一品である。ドイツに行った潜水艦が持ち帰ってきたもの、それはフランケンシュタインの心臓なのである。この映画で最も印象的なのが、この心臓のシーン。(画像参照)動いている。生きているのだ。この心臓が広島に運ばれ、そこに原爆が投下される。

http://juzji.jugem.jp/?eid=3069
放射能の影響で、フランケンシュタインは20mを超える巨体となり、地底怪獣バラゴンと戦うのである。(この続編でフランケンシュタイン2人が出てくる「サンダ対ガイラ」も見たけれど、駄作である。)このドイツから潜水艦でフランケンシュタインの心臓が運ばれ、広島で被爆し巨大化するというストーリー、実に凄いと私は思う。

これも同年代の方にしかわかってもらえないとおもうが、「サブマリン707」という漫画でも、速水館長は、太平洋戦争時にドイツに行き、ウルフというドイツ軍人とともに戦ったことになっている。まあ、ロマンあふれる話なのだが…。

私は航空ファンだが、同時に潜水艦ファンでもある。アメリカで、ボルチモア、NYC、シカゴと展示されている古い潜水艦の中に入っては、魚雷発射管を見て感激してきた。そういう過去から、ドイツに行った潜水艦の話故に、つい手にとってしまったのだった。内容については、また随時エントリーしていきたいと思う。

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