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…昔M高校で、スコットランドからきたALTが、初の授業で我が英語科3年生に全く通じず、しょげて職員室に帰ってきたことがあった。たしかにスコットランドの発音はわかりにくい。(笑)
スコットランドは、パワーバランスの関係で統一されていくのだが、法は大陸の成文法の伝統を守ったし、英国国教会ではなく、カルヴァン派(プレスビテリアン)が主流。政治的には労働党の金城湯池という相違があった。1997年、スコットランド議会と自治政府が復活(ウェールズ・北アイルランドも同様)、2014年の住民投票では、UKからの独立が55対45で否決された。2016年のブレグジットの賛否を問う住民投票では、62%が残留を支持した。
「世界まちかど地政学」の著者は、北欧のような自然条件が、自由競争を好むイングランドとは異なる社会民主主義的な気風を産み、人口と生産力で圧倒するイングランドへの経済的依存を必然にしてきたのだろうと分析する。
首都エジンバラが歴史的なプライドから独立を求めるのに対し、経済の中心グラスゴーはEU離脱後イングランドから外資企業の移転という経済的メリットも視野に入れているようだが、イングランドという市場を失う可能性も強く、二者択一ではうまくいかないようだと著者。そもそもUKは、国内の様々な利害をだましだまし折り合いつけて臨機応変にやってきた。そもそもブレグジットの賛否を二者択一で行ってしまったのが間違いではなかったのかと結論づける。スコットランドはイングランドと離婚したがって入るが、北海油田が枯渇した後の経済的自立という難問も抱え、躊躇しているように見える、とのこと。
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