ダリ 神の空間 https://gu chini.exblog.jp/18604907/ |
宗教と芸術の関係、これはおそらく全ての宗教に共通すると思えるが、宗教美術にせよ、宗教建築にせよ、宗教音楽にせよ、宗教文学にせよ、信仰対象への賛美である。ユダヤ教・キリスト教に共通する『ハレルヤ』はヘブライ語で「主を賛美せよ」の意である。
宗教美術には、識字率が高くなかった古代より、神話や叙事詩の内容や教義が絵画によって表現し、一般大衆に啓蒙するという側面もあった。ヨーロッパの中世キリスト教の絵画や教会内の壁画などに顕著である。一神教においては、偶像崇拝は禁止されているが、少しずつ相違があり、これが宗教美術の範囲を決めている。なかんずく、キリスト教では、カトリックが最も範囲が拡大されており、イエスの絵画、彫刻にまで発展している。さすがに神はほとんど描かれないが、ミケランジェロの『アダムの創造』には描かれている。『ピエタ』はイエスとマリアの彫像として至高の作品と言われている。正教では、イコンという教会内に掲げられた聖人の絵画は認められているが、彫像はない。プロテスタント各派では聖像破壊(イコノクラスム)が起こり宗教美術はほとんど見られない。イスラムでは、最も偶像崇拝に厳しく、アラビア書道が発展した。またモスクの装飾としては、絵画ではなく幾何学模様になっている。教会建築についても、同様である。ユダヤ教では絵画よりも工芸品などに特徴が見られるが、一方神秘思想のカバラでは仏教の曼荼羅に近い絵画的要素も発展している。一神教以外では、信仰対象の彫像や絵画、教会(寺院)建築も含め、様々に発展してきた。
宗教音楽には、礼拝時の儀式的な側面と、一般大衆への信仰の促進という側面がある。これは、賛美歌を有するユダヤ教・キリスト教に共通する。プロテスタントのゴスペルなども教会での礼拝を至福の時とする装置である。一方で、古典音楽でも様々な受難曲を始めとした楽曲が作られた。イスラムでは、音楽は禁止されているが、クルアーンの読謡やアザーン(礼拝への呼びかけ)などは行われている。ちなみに礼拝時の呼びかけは、ユダヤ教ではラッパ、キリスト教では鐘が使われる。仏教でも声明(しょうみょう)という仏典に節を付けたものがある。これはインド・中国経由なので、広く分布している。いずれにせよ、原始的な宗教においても音楽は重要な要素をなしており、現在も残る各地域の民族音楽はほぼ宗教音楽から派生したものと言えるだろう。
宗教建築も、各民族の文化の影響下で、荘厳に作られてきた。カトリック教会には様々な聖人の像が施されているが、正教やプロテスタントにはないのも美術同様である。仏教寺院では、釈迦の遺骨が収められた塔(ストゥーパ)が伝播した地域ごとに見られる。インドのシク教には黄金の寺院がある。イスラム教のモスクも荘厳であるが、シーア派にのみ廟がある。
宗教文学については、各宗教の聖書・経典・解説書・叙事詩などの他に、宗教をテーマとして扱っている文学作品もある。たとえばキリスト教では、ダンテの神曲やドストエフスキーの罪と罰などである。
このように、宗教と芸術の関係性は極めて深い。
以上1000字ジャスト。小論文としてはテーマが大きすぎたような気がするのだった。
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