https://www.youtube.com/watch?v=BJeeGkKd0Es&ab_channel=akinolemmo |
♪野に咲く花の名前は知らない だけど野に咲く花が好き
帽子にいっぱい摘みゆけば なぜか涙が涙がでるの
♪戦争の日を何も知らない だけど私に父はいない
父を思えばああ荒野に 赤い夕日が 夕陽が沈む
♪戦さで死んだ 悲しい父さん 私はあなたの娘です
20年後の この故郷で 明日お嫁に お嫁に行くの
♪見ていてください 遥かな父さん いわし雲とぶ 空の下
戦知らずに 20才(はたち)になって 嫁いで母に 母になるの
嘆息した理由は今読んでいる「深海の使者」の影響である。いったい何人の人が戦死したことか。この小説にのめり込み、戦死というものを今かなり身近に感じているからであろう。
ところで、この寺山修司の詩からは、海軍ではなく、陸軍兵として死んだ父が想起される。野に咲く花とは、大地に倒れた無名戦士(位の低いその他大勢の戦死者の一人なのだろう。)、だから名前は知らないで始まる。そして野に咲く花は、この娘さんにとって父の化体なのだろう。それゆえ思いが募って涙が出る。荒野に沈む赤い夕陽、戦死されたのは満州あたりであろうか。いわし雲は秋の季語なので、この娘さんは秋に結婚するようだ。最後の母になるという結句は、父の血を受け継ぐ子を生むという、彼女にとってて最大の親孝行をしたいという願いなのだろう。
なんか現代文の授業みたいなエントリーになったけれど、感動を与える反戦歌である。初期のフォークソングでは反戦歌がいろいろ歌われたけれど、私はこの歌が最高だと思うな。
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