東大の問題の続きである。大問2は言語と教育に関する問題。設問Aでは、国連の公用語と東アフリカの共通語・通商語を聞く問題。これは、そう難しくない。確認しておくと、英語・仏語・露語・中国語・西語に、アラビア語が後にプラスされた。東アフリカといえばスワヒリ語で秒殺問題である。(2)インターネットの普及は国際社会で使われている言語の状況にどのもたらしたかもたらしたかを20字記述。おそらく英語の一人勝ちになったことを書けばよいと思う。ITの世界ではアメリカ、半導体チップの設計はイギリスが主だからだ。(3)ヒンディー語が連邦公用語のインドと、インドネシア語が国語のインドネシアの、それぞれの使用の広がりの相違点を60字で「英語・地域語・州」を入れて記述。これは、インドの状況(各州によって地域語が違い、ヒンディー語より英語が通じる)についてはよく知られているところだが、インドネシアの状況はあまり知られていないのではないかと思う。元々オランダ領だったインドネシアでは、国語としてマレー語に近いインドネシア語を国語化して全国の共通語化に成功した。ケニアのスワヒリ語の如きである。ビジネスでは英語は通じるが、インドほどの状況ではないはずだ。これは意外に難問。(4)シンガポール・マレーシア・インドネシアの華人社会は、標準中国語ではなく、いくつかの中国語の有力な方言が日常生活で使われている。例として具体的な方言名を1つ挙げ、こうした状況にある歴史的な背景を40字で記述。マレーシアにいた私には秒殺問題だが、高校生には厳しいと思う。広東語や客家語などの例を挙げるのは難しいのではないか。ただその背景には、華僑の存在と本土の故郷との関わりが強いことは想像できると思うが。
設問Bは、20歳~24歳人口1万人に対する4つの国への留学者数の表(上記画像参照)をもとにした問題。(1)マレーシア、韓国、インドが、表のABCのどれかを問い、さらにCの留学国の構成が他国と大きく異なっている理由を問う問題。これはかなりの難問である。表をよく見ると、Bはアメリカに集中していること、Cはオーストラリアとイギリスに多いことが読み取れる。ここから、Bがインド、Cがマレーシア、消去法でAが韓国となると思う。Cのマレーシアの留学先で、旧宗主国イギリスが多い理由は、独立の時も話し合いで他国のように旧宗主国が嫌われていないことが挙げられる。余談になるがサッカーW杯などでは、マレーシアの人々はイングランドの応援をすると聞いた。(マレーシアの”ハリマオ”は極めて弱いらしい。)オーストラリアは近い故であろう。(2)オーストラリアが人気の理由を2つ40字で記述。これは治安の良さと留学コストが低いこと、さらには白豪主義から脱皮して多民族化しており寛容であることのうち2つを記せばよさそうだ。これの寛容さはパースに行った時実感できた。(3)留学生の合計はBが最も多い。その理由を40字で「学歴社会・国際競争」を使い記述。発展著しいインドでは、学歴社会となり、高い英語力が国際競争に参戦している大企業就職に必須だからとでも書けばいいのかなと思う。
大問2は、大問1よりかなり難しいように感じる。さすがは東大というべきか。
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