現実の国際情勢を元につくられた脚本が多く、社会の教師としては学びのきっかけになることもあった。最初はゴルゴの超人的なスナイパーのスキルを中心にしたものが多かったが、その作品ごとの背景から人間について、あるいはその地域について考えさせられるものなど、様々な作品群が発表されていた。
今でも印象に残っている作品は、ゴルゴ13のルーツにまつわる作品の中でも最高傑作であると思われる「芹沢家殺人事件」。これは「日本人東研作」や「おろしや間諜伝説」などよりかなり現実味があって、よく覚えている。タイトルまで忘れていないのはそれだけインパクトが強かったのだと思う。始めて読んだ作品も印象に残っている。「棺に誓いを」である。スペインで兄の敵を討つためにゴルゴを狙う弟とそのバックにつくKGBの話だ。
ゴルゴ13に助けられたことがある。初めてアメリカに行った時、ミルウォーキーのパーティーで、カナダからのゲストがいた。ウィニペグから来られていたのだが、「マニトバ」州ですねと私が言ったので、握手を求められ日本の社会科教師は優秀だという証明が出来たことがある。これは、ゴルゴ13のマニトバというタイトル作品のおかげだ。
語りだすと長くなる。あの生物兵器に対しても生き延びたゴルゴ13。ついに、ゴルゴ13は死なないままに終わった。ゴルゴ13の死ぬシーンなど見たくはないが…。
重ねて、さいとうたかを氏のご冥福を祈りたい。最高のエンターテーメントの劇画を提供していただき、ありがとうございました。
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