計24人の選手の話が載っているのだが、まだ途中。桑田真澄選手のところでストップした。何故なら、今私の心情に最も近いと感じているからだ。
桑田はPLから清原を出し抜いて巨人に入ったダーティーヒーロー的な暗さがある。清原は高卒初年度大活躍をするが、桑田は2勝1敗。高卒ルーキーとしはまずます。オフにアリゾナ州の教育リーグに派遣され、最終日にグランドキャニオンに無理やり連れて行かされる。ふてくされていたのだが、その大渓谷の景色に圧倒され、涙を流しながら己の小ささを思い知る。帰国後、正月休み返上で球界ではまだめずらしかったウェイトトレーニングを始め、栄養学、心理学、解剖学、運動生理学、メンタルトレーニングに関する本を買い込み独学で勉強した。翌年、19歳で沢村賞を獲得する。しかし、95年のダイビングキャッチで怪我をしてから不調に。一度は復活するが、やがて低迷。2軍の試合が最後になる。大観衆が詰めかけ、ファン一人ひとりと握手をし、MLB・パイレーツとマイナー契約を結び、メジャー昇格。しかし19試合、0勝1敗。再度マイナー契約するが40歳目前で戦力外通告される。その瞬間によくやったな、もういいよという声が聞こえたという。
私はPLも嫌いだし、巨人も嫌いだが、この桑田真澄という投手の生き方には共感する。この本は、そろそろ現役引退の時期が近い私に何かを与えてくれたようだ。
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