先月、武漢に起因するパンデミックについて、中国の社会構造が、ヨーロッパとは逆で、自由な個人が下に、不自由な共同体が上に位置するということを指摘した。重要なことは、中国は上からの圧力がないと、各人が自己の利害のみに走り、とんでもないカオスになるということである。
中国の社会学者・費孝通が「(本土の中国人は)個人主義ではなく自我主義である。」と記していることも前回述べた。
大理市が他の市や省のマスクを横取りしたというニュースが流れた。他の市でも同様な横取りが起こっているようである。大理市は現在建設中の観光施設の労働者のために確保したらしい。要するに自市おける最重要課題対策で、経済優先であるとのこと。北京の統制がゆるみ、各地が自我主義に走り、好きなように動き出すと、大変なことになることを示す好例である。
実に危ない状況にあると私は危惧する。このパンデミックで中国が崩壊(群雄割拠)する可能性が高まっている。これまでの中国史を見ると、群雄割拠が常態であるといったほうがいい。1959年の中華人民共和国という枠組みが崩れる可能性があるのだ。
マレーシアの中華系の人々を見ていると、そのような強烈な自我主義を感じないのだが、巨大な人口圧に苛まれる中国本土では、四度の訪中での経験から私自身否定することはできない。彼らが、自我主義をむき出しにした場合、極めて危険である。
北朝鮮で絶対君主の重病説が流れ、それ以上に栄養不足の国民が多い故に、パンデミックが蔓延すれば崩壊する可能性が強い。韓国も経済崩壊とパンデミックが政権を直撃しそうだ。日本でも政府の対応は緩慢に見える。東アジアは、政治的にも経済的にも、今大変な危機的状況にあるような気がする。
とはいえ、四国の最西端にあって、私自身はのどかな日々を過ごしている。名も知らぬ野草が咲き乱れ、渡り鳥らしき”メッサーシュミット”の小鳥が、たくさん飛び回っている。人間社会の喧騒をよそに自然界は予定調和で進んでいるのだった。(今日の画像参照)
2020年2月12日水曜日
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