2015年12月23日水曜日

天皇誕生日に想う。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/23/princess-kako-appears_n_8867082.html
陛下の82歳の誕生日である。陛下の記者会見全文を読むと、陛下がいかに先の大戦を我が痛みとされているか、平和を希求されているかがよくわかる。特に念願とされていたパラオ訪問について語られ、日本国民だけでなく、現地の方に大きな負担をかけていることなどにも触れられたり、民間人の犠牲にも触れられておられる。

「(戦争を知らない世代が)戦争の歴史を学び、今後の日本のあり方を考えることが極めて大切」と陛下が語られたことを、私は重く受け止めたい。陛下は、憲法上、政治的発言をされることはない。だが、このお言葉は、今年の日本を振り返って、陛下が感じられた戦後構築された平和への危機感を表現されたものだと思うのだ。まさにぎりぎりの思いを吐露されたのではないだろうか。

…戦争の歴史を学ぶということ、今年は特に世界史Bでドイツの全権委任法が民主主義のシステム上で成立したこと、ドイツ人の勤勉で、しかも従順な国民性と道具的理性がナチの独裁を許したことを教えた。現在の日本の状況、小選挙区制というシステム故に政権党の総裁に権力が集中しているコトは、当時のドイツと極めて似てきている。危険だ。

…反知性的なところもよく似ている。日本における戦争への道は、反知性的な「神国の物語」を信ずるだけの青年将校が、過激な発言を繰り返し、責任ある立場の者がそれを止めれず、誰も責任を取らない総無責任状態に陥ったことが大きいと私は思う。美しい日本?普通の国日本?✖✖ノミクス?そういう「物語」に紛らわされてはいけない。歴史は、そういう単純なプロパガンダに踊らされ続けてきた。政府の政治家の語る、おそるべき「反知性」を我々は大いに糾弾していかねばならない。

…陛下は、政治的発言をされることはない。誰よりも憲法を遵守される。たとえ、時の政権が憲法をないがしろにしても、である。陛下のお言葉には、そんな深い危惧があるように思う。

http://mainichi.jp/articles/20151223/k00/00m/040/131000c

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