吉村氏の著作 おもしろそうな内容だ |
15:30開始で、17:00が終了予定である。最初に挨拶があったりするので、事実上1時間強で、大阪における部落問題と在日韓国・朝鮮人問題を語れというのは、さすがに厳しい条件だ。吉村氏は、都市問題の歴史と部落問題の専門家故、こちらに絞って頂いた方が良かったのではないか、と私は思っている。実際、吉村氏も、かなり大変だったようだ。喋らねばと思うことがいっぱいあるのに、簡素に語らねばならないのは極めて苦痛である。私も世界史Bでそういう”しんどさ”を日常的に味わっている。
ところで、今日の講演で、吉村氏は意外な枕をふってこられた。六代目笑福亭松鶴の「らくだ」の落ちは、「ヒヤでいいからもう一杯。」だそうだ。このヒヤは火屋(火葬場)と冷酒をかけたもので、江戸時代に形成された大阪のインナーシティに、被差別民の仕事場が形成されたことを教えていただいた。また、初代桂米朝の「代書屋」の話も出てきて、当時大阪にきていた韓国・朝鮮の人々の渡航証明書を代書する部分を聞かせていただいた。彼らの言い回しを決して揶揄したりするわけではなく、淡々と写実的に語る人間国宝。ここの部分が後の韓国・朝鮮人問題における「法的な問題」の話に結びつくわけだ。
なかなか勉強になったのだが、できれば2回に分けて講演していただきたかったと思う次第。誠に申し訳ないと、主催者でもないのに謝りたい気分だった。
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