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現在は米ドル、あるいは南アのランドが使われているのだが、これに人民元も使えるようになるわけだ。通貨が全て人民元になる、というわけではない。この背景には、48億円相当の中国の債務放棄があって、その見返りとしての導入らしい。中国の観光客は、そのまま人民元が使え、流通を促進する、と言い、その人民元は中国への債務変換にも利用できるという皮算用だ。おそらく、これは大したことではない。それより重要なのは、人民元がアフリカの一国で法定通貨として認められた、という(極めて精神的な)事実だ。
ムガベ大統領としては、してやったりであろうと思う。法定通貨に加える、と言ったただけで48億円がチャラになったわけだ。習近平主席も、たかだが48億円で、法定通貨に人民元を入れた国を1つつくったわけで、安いものだと考えているだろう。さらにアフリカで第二・第三のジンバブエをつくろうとするだろう。私のカンでは、エチオピアあたりかなと思う。
ジンバブエは、白人の経済支配を無理してひっくり返し、失敗国家化した。旧宗主国イギリスとの関係は最悪である。中国としては、だからこそ付け入るスキがある。宗主国との関係が、それなりに残っている国、たとえば西あるいは中央アフリカの旧フランス領の国々は、みんなセーファーフラン圏である。こんなところには、なかなか人民元が入り込めないはずだ。一方、エチオピアは他の地域が植民地化された時も独立国であった。旧宗主国がいないわけで、携帯電話のアンテナをあのエチオピア高原に人海戦術で張り巡らした中国としては、次はエチオピア、と舌なめずりしているのではないだろうか。
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