夕暮れ迫る プワシュフ強制労働収容所跡 |
強制労働収容所跡といっても、記念碑があるだけで、事情を知らないと(事実私は寸前まで知りませんでしたが…)芝生のちょっとした丘のある公園という感じです。当然、地球の歩き方などには載っていません。息子に言わせると、「ホロコーストの跡を回るというのは、こういう地味な場所を回ることなのだ。」ということでした。
この収容所、実は冷酷な殺人鬼のような所長のために、多くのユダヤ人が殺されています。毎朝彼は、ライフルで収容者を狙撃して楽しんでいました。彼の嗜好のために500人以上も死んでいるのです。アウシュビッツでもビルケナウでも、多くのユダヤ人が命を落としましたが、ここで所長のライフルで狙い撃ちされたユダヤ人たちには、違う種類の哀悼が必要な気がします。
記念碑 |
SSの中央で組織的、かつ効率的なユダヤ人虐殺計画を練ったアイヒマンなどは、ホルクハイマーの言う道具的理性による職務遂行上の殺人者であるといえます。アウシュビッツのルドルフ・ヘス(イギリスに亡命したヘスとは同名ですが別人です。)所長も、道具的理性による職務遂行で殺人を指揮していたといえると思います。でないと、ガス室・焼却場の300mそばに家族との住居を構えれるはずがないと思うのです。(道具的理性によるものだからといって許されるものでは当然ありませんが…。)
ですが、このプワシュフ強制労働収容所の所長であったゲートは違います。道具的理性によるものではなく、単なる享楽による殺人であると私は思うのです。これは彼個人の異常な資質によるものなのでしょうか。
シンドラーの工場博物館にて SSの帽子の展示 |
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