2012年6月28日木曜日

小事が大事「集団失踪事件」

明日は物理の試験だ
今日から期末考査。我が1組では、放課後に勉強を教え合うことを奨励している。一週間ほど前から、運動クラブに入っていない生徒たちが毎日残ってワイワイやっている。時々見に行くのだが、勉強してるのか、遊んでいるのかよくわからない。(笑)だが、楽しそうにやっているので、担任としては温かく見守っているトコロである。試験が始まる前、一気に教室を整理整頓した。試験の雰囲気を盛り上げなくてはならない。ところで、このところ毎日付き合っているので、疲れがたまっているようで、「今日は5時まで。」と伝えておいた。で、5時前に教室に行くと、誰もいない。10人くらいの鞄が置いたまま。机もあちこち集まっていて、不思議な空間になっていた。まるで「集団失踪」。練習を終えた野球部の2人が「物理教えてもらいに帰ってきましたぁ。あれ?みんなどこすか?」「オレが聞きたいよ。」「探してきます。」と、図書館や明日の物理の試験の関係で理科の物理教室などを探しに行ってくれたのだが、「いませんでしたあ。」「うーん。」5時になった。頭にきたので、教室の鍵を閉めて職員室に戻ったのだった。

結局居場所がわかったのは15分後だった。物理教室ではなく、生物教室で理科の若手の先生に教えてもらっていたのだった。校内放送で全員呼び出した。男子4名、女子7名。男子は前列に並び、どやされるのを覚悟で女子を守る体制である。その姿勢や良し。勉強していたのだから、それはそれで褒めてやった。しかし、「時間を守り、それまでに教室をきちんとするのが、責任ある行動だと思うが…。なにか言いたいことがあるなら聞いてやるから、言え。」と言うと、「ありません。」私の指導は一切ぶれない。約束を守る。5時と言ったら5時だ。『責任ある行動』、これしか言わない。「では、教室にもどり、明日の試験のため、きっちと掃除してもらおう。」と言うと、全員がほっとしたようだ。ダッシュで教室に戻っていった。男子が「清掃終わりました。」と報告に来た。「…?」手に教室用の時計がある。「実は…、風が吹いて、時計が落ちまして…壊れました。」「…?」「風が時計を壊したんです。」

「この風が時計を壊したという言い方、まるでムスリム(イスラム教徒)やなあ。」と全員が揃った前で私が言った。何人かが微笑んだ。「?」という顔をしている女子に、「インミッシャ・アッラー(神がそう望みたもうなら)やで」と男子。「?」「神が時計を壊したたもうたという感じの言い方やん。」と男子。おいおい、私の社会科の勉強もしときや。(笑)

ところで、壊れた時計について「これ高いねんど。」と私。「いくらですか?」「…300円」そこで、吉本新喜劇のようなこけ方をするのが大阪人のDNAである。(笑)

みんな笑顔で「さよならー。」「気をつけて帰れよー。」…担任っていいよなあと思うのである。

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