2012年6月19日火曜日

ケニア・トゥルカナ湖の危機

トゥルカナ湖の国立公園群
先日の京大公開講座の話は、エチオピア、ケニア、ウガンダ国境が舞台だった。ここにはトゥルカナ湖という世界最大の砂漠湖がある。この湖が危機に瀕している。ここに水を供給するエチオピア領内のオモ川上流に、ダムが建設されるらしい。

ケニア政府はここから電力供給を受ける契約でダム建設に合意したらしいが、ダムの完成60年後にはトゥルカナ湖は消滅するという。それでなくとも、干ばつが続いた関係で水位が減少しており、周辺の牧畜民の生活を脅かし、水の争奪の争いが起こっているという。
http://www.africa-news.jp/news_BOJXoGIkW.html

先日の公開講座で、佐川先生は最後にこういう「開発」による新たな問題を『構造的暴力』という、非常に厳しいコトバで非難しておられた。ダサネッチの民から見れば、自分たちの営みを否定するような話なので、広い意味で『構造的暴力』という言い方も当然かもしれない。
通常、『構造的暴力』というコトバは、先進国と途上国の富の分配、経済格差を揶揄しつつ、先進国が途上国に対し、「暴力」的なまでに周縁化していることを意味する。おそらく、佐川先生は、エチオピア政府を先進国に、国境周辺に住む周縁化したダサネッチを途上国とイメージして言われたことと私は解するのである。

さて、このダム建設、是か非かという問題は非常に難しい。大きな環境問題であることは間違いがない。反対運動をしている組織もあるようだ。「開発」か「伝統的生活の維持」か。アフリカで常に議論となるところだ。とても私ごときに、結論は出せない。

ところで、今日は台風4号が大阪に近づき、暴風警報が出たので授業は午前中で打ち切りとなった。うちのクラスの生徒は狂喜乱舞。5時間目の水泳(女子の体育)も、清掃も、放課後の部活もぶっとんだわけで、まあ突然の休日、なんか嬉しいわな。夕方まで大阪は、ほんとに警報が出てるんかあ?という感じだったのだが…。全国的にたいした被害がないことを祈りたい。

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