2012年1月27日金曜日

ケニアのKWSとゾウ密猟の話

ケニア・ナイロビ国立公園のKWS
今日の朝日新聞の朝刊に、ケニアのアフリカゾウ密猟の話が載っていた。その要旨は、次のとおりである。2011年度のケニアでの密猟は260頭、新興国の富裕層による象牙の需要層が背景だと見られる。密猟者は、銃から毒矢や槍に変えて警備の強化をかいくぐるらしく、摘発は過去最多なのだという。この密猟者を取り締まるのが、KWS(ケニア野生生物公社)である。ケニア南部のアンセボセリ国立公園では、空から警戒もし、地域住民3000人も協力しているのだが、密猟は後を絶たないという。

「需要が密猟を増やしている。」「(モンバサ港でアジア向けの積み荷から727本もの象牙が押収されたことを受けて)ケニアが、アフリカの密猟された象牙の輸送拠点となっている可能性がある。」とKWSは訴えている。

…この記事を学校で発見して、思わずコピーした。実は、私はJICAのケニア視察旅行の際、ナイロビ国立公園のKWSに行った事があるのだ。最初どんな場所の視察なのか見当もつかなかった。KWSのスタッフは、どう見ても軍服姿だった。後で、記事にあるように密猟者と闘う組織だということを知ったのだった。アフリカゾウは、野生動物の中でもかなりの保護対象である。だが、同時に野生動物と共生する住民にとっては脅威なわけで、今日の新聞記事にも凶暴なゾウに住民は困惑しているということも書かれていた。

…私は、アフリカ=野生動物という発想は好きではない。ケニアでは国立公園にも行ったが、野生動物より人間に興味があるので、人間と関わりのある家畜のほうが面白いと思っている。とはいえ、このニュースは気になる。KWSが言うように、「需要」の存在が、貧困に苦しむケニアの若者を密猟という犯罪に走らせるのだろう。そんなにまでして象牙が欲しいのだろうか。こんなところにも経済学の原理が働いている。…うーん。

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