毎日新聞の朝刊に、南スーダンとケニアに関する重要なニュースが載っていた。南スーダンの石油が、南隣のケニア国内経由でラム港へ運ぶパイプラインによって結ばれそうだというのである。両国政府が建設に同意したそうだ。現在、南スーダンの石油はスーダン経由既存のパイプラインに限定されており、原油利益の分配をめぐり対立が独立後の今も続いている。しかも、スーダンがパイプラインの使用料が支払われていないと、南スーダン産の石油を差し押さえているらしく、南スーダンは石油生産自体を停止し、対抗しているという。
どうも、ダルフール紛争以来、スーダン政府の評判は良くない。南スーダンの独立後もゴタゴタともめている感がある。本当のところは、遠い日本にいると判断に困るのだが、少ない情報だけで判断するのはやめようと思う。ふと、昔読んだ本のことを思い出した。「戦争広告代理店」という本である。ボスニア・ヘルツェゴビナの外相がアメリカの代理店を訪ねるのだ。セルビアとの戦いの中で、アメリカを味方につけたいとの思いだった。代理店は、彼の英語表現、服装などをうまく操作し、マスコミを味方につける。そして最後には「民族浄化」というコトバで、セルビアを完全に悪者にしてしまうというドキュメンタリーである。スーダンと南スーダンに当てはまるのかどうかも不明だが、ソマリアのアルシャバブ(昨年8月7日付ブログ参照)の話以来、自重しているところだ。
同時に、ケニア北部の乾燥地帯は、京大の公開講座でおなじみの遊牧民の世界だ。石油のパイプライン建設は両国にとって重要なプロジェクトだと私も思うが、彼ら遊牧民の生活を守れるような配慮も必要だと思う。なにかと難しい地域なのだ。
だから、このパイプライン建設、行け行けGO!GO!と私は単純に思えないのである。
2012年1月31日火曜日
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本件について、ブログ記事を書きました。
返信削除http://let-us-know-africa.blogspot.jp/2012/09/blog-post_30.html
また、先生が9/23付「アフリカ投資先ランキングクイズ」で紹介されていた資料を使わせて頂きました。感謝します。