2012年1月6日金曜日

タンザニアのパナソニックに問う

タンザニアの日本企業といえば、マラリア対策に長じた蚊帳を作っている住友化学が有名であるが、我が大阪の代表的企業であるパナソニックも電池を生産している事を,恥ずかしながらWEBニュースで知った。これまでパナソニックの社内カンパニーの「エナジー社」がマンガン電池を生産しておりアフリカの乾電池シェアの46%、年間約1億個の生産規模をもつという。さらに今年から容量の大きいアルカリ電池を生産することにしたらしい。

タンザニアは、東アフリカ共同体(EAC:ケニア・タンザニア・ウガンダ・ルワンダ・ブルンジ計5カ国)と南部アフリカ開発共同体(SADC:南ア・ザンビア・ボツワナ・モザンビーク・アンゴラ・レソト・マラウイ・スワジランド・ジンバブエ・ナミビア・モーリシャス・セイシェル・コンゴ民主共和国とタンザニア計14カ国+現在国内情勢によりマダガスカルが資格停止中)に参加しているので、これらの17カ国に無関税で輸出ができるわけだ。タンザニアに生産拠点をつくるというのは、なかなかビジネスにとって有為だ。20%増の売り上げを目指しているらしい。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120106/biz12010608100007-n1.htm

一方、パナソニックは、ビジネスだけではなく、タンザニア国内でバイオ燃料を生みだす「ジャトロファ」(ナンヨウアブラギリ)の植樹や、無電化の村に「ライフイノベーションコンテナ」という発電装置を寄贈したりしている。こういうビジネスと持続可能な開発への協力の日常的な実践こそが、中国のアフリカ支援とは、一線を画す”日本”の開発だと私は思う。これからも頑張って欲しい。
http://ex-blog.panasonic.co.jp/ch_panasonic/ch09/review01431.html
http://sibg.panasonic.co.jp/cgi-bin/btool/typerw-s.cgi?blog_id=531&tag=%A5%BF%A5%F3%A5%B6%A5%CB%A5%A2&limit=5

ただ、私が心配なのは、電池の回収についてである。今日のエントリーのタイトルを『タンザニアのパナソニックに問う』としたのは「アフリカの各地で乾電池が投棄された場合、深刻な環境問題を引き起こす可能性を否定できない。」という危惧を私がもっているからだ。

で、完全文系の私だが、マンガン電池・アルカリ電池について調べてみた。日本のメーカーの乾電池では、現在は水銀やカドミウムなどの毒性のある重金属は使われていないらしい。ちょっと安心した。なぜこんなことを調べたかと言うと、昔々、息子がまだ小学生だった頃、北海道・留辺蘂にあるイトムカ鉱山に社会見学にいったことがあるからである。当時はまだ乾電池に毒性の強い水銀が使われていて、そのリサイクルが慎重に行われていたのだった。

水銀よりはるかに安全とはいえ、マンガン電池の電解質の塩化亜鉛は、水生生物に対して毒性が強いし、アルカリ電池の電解質は水酸化カリウムで土壌汚染を起こしかねないという。アフリカでは、多くの国で廃品回収のシステムがない。要するにゴミはそのままになっている所が多い。アフリカで電池をいかにうまく回収するか、それこそが日本企業の本当の良心だと思うのだが…。是非一考願いたい。もし、すでに回収に手をうっていたなら、それこそ我が大阪の最大の誇りである。

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