2012年1月9日月曜日

モザンビークに熱い眼差し

JICAの日伯合同調査
モザンビークは、近年景気のよい話が続いている。ガス田の発見。経済回廊(内陸国のマラウイ、ザンビアやジンバブエとインド洋を結ぶ国際道路)の建設と発展。この経済回廊のひとつ、北部のナカラ回廊を中心に、JICAが進めていた農業振興プロジェクトが一気に進むようだ。以前からJICAは、ブラジルのセラード(サバナ気候の熱帯草原)で大豆などの生産に成功している。この話は、JICAの月刊誌で知っていた。これを南南(途上国が得た経験をさらに途上国で活かす)協力で、さらにモザンビークで行うことも知っていた。それが、日本とブラジルの企業が30社ほど集まり、このほど調査活動が一気に本格化したわけだ。JICAの国際支援プロジェクトが、国際ビジネスとして発展していくともいえる。

このプロジェクト、隣国のザンビアで嫌中国を訴えた大統領が当選したりして、今アフリカで活発な中国型(現地の雇用を創造しない開発)への批判という風にも乗っているらしい。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120109/bsg1201090503006-n1.htm

モザンビークはインド洋に面していることもあって、内陸国の罠の枠外にある。モザンビークのサバナ地帯で、新しい農業開発が進めば、そのスキルが経済回廊を経由してマラウイやザンビアにも拡大し、慢性的な食糧不足に大きな恵みを与える可能性がある。私が賛意を示すのは、そういう農業生産拡大による貧困撲滅という一点である。巨大な商業的プランテーションになるとしても、そのスキルのおこぼれは周囲の小農に影響を及ぼすのではないか。JICAの皆さんは、決して国際ビジネスの走狗ではない。このあたりをうまくコントロールして欲しいものだ。でないと、いくら雇用創造しても中国と同様に見られてしまう。アフリカのビジネスは、何より、アフリカの貧困撲滅とリンクしたものでなければならないと私は考えている。

追記:ところで、一昨日から昨日にかけて、JICA大阪の高校生セミナーが行われた。前任校のU先生から12校の参加があったとのこと。内容については改めて報告してもらえる予定になっている。U先生、お疲れ様でした。本校は参加できなくて残念だったけど…。

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