このところ私のブログのアフリカの話題は、文化人類学的なものが多くなった。京大の公開講座やそのれにまつわる書籍の関係かもしれない。久しぶりに、開発経済学的なことを書きたいなと思っていたら、今日の毎日新聞朝刊に「南部アフリカフォーラム2011」の記事が載っていた。要約はWEBにもあったので以下を参照されたい。
http://mainichi.jp/select/world/news/20110627ddm010030016000c.html
この中で、唯一私が注目したのはSADC政策局長の次の発言である。
『SADCは08年に域内をFTAとしたが、さらに障壁を排除し、競争力を高め経済パフォーマンスを上げていく。一方、SADCは他の二つの地域経済共同体との協力を進めている。COMESA(東部南部アフリカ共同市場)、EAC(東アフリカ共同体)と、より大きな市場を作ることで合意しており、FTAを目指している。3者を合わせると26カ国でアフリカ連合(53カ国・地域)の半数となり、3者の統合は大きな意味をもつ。他の2共同体と政策・戦略面での調和を図っているところで、3共同体は一緒になって貿易、投資を促進していく。』
以前、経済回廊の話を書いた(3月9日ブログ参照)が、南アフリカと東アフリカが大きく市場を統合しようとしているわけだ。南アの経済規模が突出しているので、他の国はおそらく戦々恐々というところだろうと思うが、私はこういう統合は必要だと思う。欧米列強による国境の線引きで、人口が少なく経済規模も、税収も近代国家となるにはあまりに小さすぎるパッチワーク的な国家群を、すくなくとも経済面から統合していくことは、アフリカ全体にとっていいことだと思う。スピルオーバー(波及効果)も期待できるからだ。
この南部アフリカと東部アフリカは、主に英語圏である。もうすでに英語は最大の国際公用語であるから、経済統合も進みやすいと思われる。エジプトから南アまで、経済回廊が整備されればかなりの期待ももてるだろうと思われる。ところで私は、エンクルマ(ガーナの初代大統領)のような、アフリカ統一のロマンを語れるような政治家の登場を夢想する。現在のアフリカの多くの大統領が「私」であり、凄みのある政治家が少なすぎるからである。エチオピアのセラシエ皇帝みたいな人物(2010年4月22日付ブログ参照)はいないのだろうか。
まあ、延命のための狡知しかない無能な首相をやめさせることもできない日本が、それを言ってもアフリカ諸国に届くわけないか…。
2011年6月28日火曜日
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