http://www.news-postseven.com/archives/20110518_20409.html
3月1日付けのブログで、私もスワジランドの国王批判デモの話を書いた。上記の記事の前にも、そのことが書かれている。日本という近代国家から見て、その後進性、特に民主政治が行われていないこと、すなわち「人の支配」がいまだ行われていること、女性蔑視への批判などが、なんとなく読み取れる気がする。
たしかにそうなのである。近代国家論から見れば、スワジランドは、単一民族国家故に、国民国家ではあるかもしれないが、資本主義の発達、民主政治の発達といった側面から見れば、近代国家とは到底言い難い。だからといって、「今だにこんなことやってる。」と嘲笑することはいかがなものか、と私は思っている。(SAPIOの記事が嘲笑記事だとは言っていない。念のため。)歴史を学ぶというのは、そう言うことではないだろうか。
ヨーロッパは確かに世界的に、最も早く資本主義や民主主義を育んだ。しかし、短時間にそれを得たわけではない。長い時間をかけて、時には血を流し、暗中模索しながら確立してきたのである。日本だって、近代国家にすべく明治維新以降、様々な紆余曲折を経て、現在に至っている。とはいえ、私は、日本の民主主義は、欧米のように勝ち取ったものではなく、あくまでGHQによって、与えられたものだと理解している。しかも、たかだか60年である。日本は嘲笑できるほどの近代国家なのであろうか、嘲笑する前に、彼らと共生する方途を考える、そんな人間を育てたいと思うのである。
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