鴨川ぞいの新緑から京大稲森財団記念館を望む |
荒木先生は、講座の最初に、『土壌』というものについての基礎的な知識の伝授をされた。私は地理の教師でもあるから、ラトソルとかチェルノーゼムとかポドゾルとかいった土壌の名前と分布が頭に浮かぶが、そもそも「土とは何か」といった地学的なことは苦手である。
先生は、その中で面白い理論を教えてくださった。E・ラブロックの『ガイア理論(地球生命圏)』である。地球は1つの生命体であり、土とは、動植物や細菌ら生命が生きるために形成する仕組みであるというのだ。もちろん、それ以前の腐植栄養説や無機栄養説などにも触れられたが、これらを統一的に見る立場(ガイア理論)を是とされているようである。その説明で、地球上のCO2は、その生誕以来減少しており、地球自体が生命圏を守るため温暖化ガスの衣を脱ぎ捨ててきた歴史である。低CO2でも光合成可能な植物(トウモロコシ等)が出現し、酸素も藍藻が海中で光合成をはじめ、海水中のイオンを酸化し続け、鉄分と融合し酸化鉄として海底に沈殿(実物を拝見した。)して以後、大気に酸素が浮遊されるようになったとのこと。へー。こういう事は私は全くの無学なので率直に驚いた。この辺は、荒木先生のプロフィールにある②の視点である。
チテメネの焼き畑(ザンビア) |
タンザニアのブッシュ焼き畑:灰のスポット部分1.56t、灰のない部分1,21t
タンザニアのミオンボ焼き畑:灰のスポット部分3.39t、灰のない部分1.51t
ザンビアのチテメネの焼き畑:灰のスポット部分3.57t、灰のない部分0t
ザンビアの退化したチテメネの焼き畑:スポット部分2.14t、灰のない部分0t
結局、灰を中央に集めてもそう意味がないようである。反対に灰のない部分は全く取れない。なにしてんねん、チテメネ!と宮田珠巳風(5月25日付ブログ参照)に言ってしまいそうな結果だ。ザンビアとタンザニアの土壌を比較してみると、炭素含有%、窒素含有%、カルシウム、マグネシウム、カリ、硫黄などの含有%も大差がない。若干違うのがザンビアのチテメネの方が、サラサラした黄色砂質土壌で、タンザニアの方が粘土が多い赤色粘質土壌だということらしい。この辺り、完全なる文系の私にはなかなか難しかった。こういう生態学は、荒木先生のプロフィールでいう①の視点かと思われる。
本当は、③について、カメルーンの研究成果を熱く語られる予定だったと思うのだが、時間切れであった。いつものように飲み物付きの休憩、質問を書いて提出する時間になった。私は、チテメネの焼き畑が、3年間輪作されることに驚いた。ミレット→落花生→キャッサバという順らしい。自給農業なので、あまり商品価値は問題にならないと思われる。ハタと気付いた。根っこの深さである。徐々に根っこが下まで延びる作物順である。で、質問用紙にそういう理解でよろしいかと書いて提出した。荒木先生の答えは、一言。是であった。まあ、どうでもよいような質問である。(笑)
さて、ブルキナ研究のEさんは無事帰国されて、実家におられるそうだ。スタッフのお嬢さんからそう伺った。ちょっとホッとしたのであった。
ところで、明日は、荒木先生のプロフィールにあった②の『仮想地球モデル』について書くつもりである。会場の後ろに、無料配布のコーナーがあり、『仮想地球の試み』というA4版で200ページにも及ぶ冊子が置いてあったのだった。私は『仮想世界ゲーム』の使徒である。(ラベルの仮想世界ゲーム参照)『仮想地球』?興味を持たないわけがないではないか。
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