2023年8月24日木曜日

ジャイナ教のブックレットⅡ

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「ジャイナ教徒は何か」(上田真啓)のエントリー第2回目。本日は主に出家信者について。沙門であったマハーヴィーラの生き方がジャイナ教徒の理想である。輪廻からの解脱を果たすのが最終的な目的であるが、修行の実践が解脱という結果を生む因果関係には、「業」に関する特殊な理論が結び付けられている。ジャイナ教では、「業」は非常に微細な物質であり、ジーヴァと呼ばれる霊魂の中に入り込み付着すると考えられている。ジャイナ教の世界観は、この世はいくつもの階層からなる巨大なビルのような代物で、人間がちょうど真ん中あたりの階層にいる。それより上は天界、下は地獄。「業」の付着の度合いで生まれ変わるごとに階層を上下しつつ輪廻を重ねていると考えられており、シーヴァに一切「業」が付着していない状態に戻すと、最も高い場所に移動でき輪廻から解脱できるという。これが出家の意義である。

ところで空衣派(画像の右)は裸形を解脱の必要条件としている。また聖典群の正当性や女性の解脱を認めていない。このブックレットでは、主に白衣派(画層の左)の出家行者について詳細にレポートしている。まず出家の儀式は、すでに出家した修行者によって一定の儀式が執り行われる。ただし、派やコミュニティによって様々である。出家の儀式後は断食と教義、出家者のルール、行うべき日課などを学ぶ期間が6ヶ月続き、この間は托鉢に出向くことはない。この間決意が固ければ最終の出家式を受ける。出家者は、不殺生(生き物を傷つけない)について細心の注意をはらい、不所有(物の執着を無くし所有しない)、遊行(寺院に定住せず雨季の4ヶ月間以外は裸足で徒歩の放浪を行う)、禁欲(異性に対する執着を捨てる:異性に対してはものの受け渡しも一度地面に置くか、投げてもらうという徹底ぶりである)を実践する。…つづく

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